+ fp あなたはfpで何を撮りますか?

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  • Produce: Yoshinao Yamada
  • Photo: Hiroshi Iwasaki
  • Video: DRAWING AND MANUAL

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武井 義明 Yoshiaki Takei

「ほぼ日」編集者 Editor "HOBONICHI" “一人旅の時は必ずカメラは持っていきます
相棒とか、友人のように思って持っていきます”

写真を撮るようになったのも編集の仕事がきっかけです
武井義明と申します。編集者です。「ほぼ日刊イトイ新聞」という、糸井重里が主宰しているウェブメディアの編集をしております。食べ物まわり、生活まわり、洋服、あとはミュージシャンの対談とかもう雑多に、雑誌のようにいろいろやっています。
本も雑誌も好きで、ウェブメディアのなかった時代でしたから、小さな出版関係の会社に入ったのが最初です。一番多く作ったのは海外旅行のガイドブック。ライター兼編集者的にカメラマンと2人1組で取材に行って、帰ってきて全部自分で記事を書いてという仕事が多かったです。プライベートを含めると30カ国150都市以上は行っていると思います。
写真を撮るようになったのも編集の仕事がきっかけです。

カメラって、そのものの形が好きで
小さな会社だったので、編集といえば当然、撮影もデザインも文章を描くのも全部できるようになれと言われて、自分でカメラを買いました。一眼レフのフィルムカメラでしたね。コンタックスのSTというのを買って、プラナの50mmを付けて、28mm、50mm、35-70mmみたいなズームも持っていたかな。当時、雑誌掲載用の写真はすべてポジフィルムで撮るものだったので、結構勉強しましたね。
被写体としてはむしろ人は少なくて、風景、建物、あとは料理とか看板とか。メモ代わりにも撮るし、風景なんかは本によっては自分で写真を撮ったものもあります。
カメラって、そのものの形が好きで。コンタックスを選んだのも、姿がかっこいいなと思ったからなんです。当時はもちろんニコンが主流で、キヤノンがぐっと世に出てきたような時代で、当時のベテラン編集者はみんなニコンを使っていました。でも僕はコンタックスのかっこよさに惹かれてしまって、思い切って買っちゃいました。そこからずるずると……(笑)。

「武井さんに向いてると思うよ」って言われて使うようになりました
プライベートでは、一人旅の時は必ずカメラは持っていきます。相棒とか、友人のように思って持っていきます。グループで旅行する時はiPhoneとか携帯系のものが優先されちゃうけれど、一人旅だと写真を撮ることが旅の目的の1つになるので、大きいカメラを持っていったりします。ライカのM8やQ、富士フイルムのX-Pro2、それからSIGMA DP1といった辺りを気まぐれに持って行きます。でもカメラって面白くて、そこら辺に置いておくと「撮ってあげようか」って言って友人たちが撮ってくれたりするんで、自分の写真が案外残ってたりして嬉しいです。
fpは使い始めてまだ間もないんです。僕はSD14からのFoveon好きなもんですから、映像に特化しているっていう話を聞いたりもして、ちょっと様子見していたんです。そしたら友人でもある写真家の菅原一剛さんに、「これはいいよ。武井さんに向いてると思うよ」って言われて使うようになりました。

旅の記録として撮るなんていう時にはもう圧倒的にfpは良いです
使ってみたら、素直ですね。あと、今まで買ってきたSIGMAマウントの純正レンズがマウントコンバーターを介してちゃんと使えるのもすごくいいです。ArtのF1.4 シリーズのレンズをつけると、友人と旅行する時なんかはちょっと大げさかなと思わないでもないです。でも、ちっちゃいレンズを付ければ、普通にスナップショットのカメラとして使えるだろうなと思うのがひとつ。あとはちゃんと料理を撮りたい時はすごくいいと思います。すごく素直に色が出る印象です。僕は自炊、料理が好きなもんですから、海外に行ってもアパートを借りて、自分で料理を作って食べているんですね。それを旅の記録として撮るなんていう時にはもう圧倒的にfpは良いです。

東京でも海外にいても同じ日はないわけで、写真にはその印象をそのまま閉じ込めたい
癖がなくていいんですね。カメラっていろんな個性があって、いわゆる流行り言葉でいうと、「盛ってくれるカメラ」もいっぱいあるし。でもSIGMAのカメラはまずはそのまま撮ってくれますよね。僕はRAWで撮るようにしているんですけど、パソコンに取り込んでから、その時の自分の印象に近づけるように現像をします。そこまで含めて楽しいです。
「その時の感じ」みたいなのって、あるじゃないですか。それは刻々と変わっていくし、毎日違うし、東京にいても海外にいても同じ日はないわけで、写真にはその印象をそのまま閉じ込めたいなと思うんです。後から見返して楽しいだろうなと思うので。レンズを通してそこの場の空気とか温度とか、時には思い出みたいなものまでくっきり入るような、それだけの情報量をちゃんと焼き付けてくれるカメラが好きです。多分そういうのを求めてるんだと思います。

あったらいいなを思い切って削ぎ落すところもSIGMAの面白さ
機動性も大事ですね。ライカQなんかはちっちゃくてレンズも変えられませんけど、オールラウンダーなので実は便利に使っています。ただ、マクロで寄ると歪んでしまうので、そういう時にはSIGMA 35mm F1.4 DG HSM |Artなんかを使うと歪みは少ないし、やっぱり個性が違います。
fp、ファインダーはないんですよね(笑)。フィルム一眼レフでカメラに入った人って、やっぱり覗きたいんですよね。そういう意味では僕がファインダーのないカメラを使うの、結構珍しいです。でもすぐ慣れましたけど。全然慣れるんですけど、でも作ってくれるんだったら作ってほしい(笑)ただ、「ファインダー作ってほしい」っていう声もある中で、あったらいいなを思い切って削ぎ落すところもSIGMAの面白さだなとも思います。

SIGMAって、好き放題やってますよね
SIGMAって、好き放題やってますよね。あえて株式を公開しない理由は、恐らく作りたいものを自由に作りたいからなんだなというふうに僕は理解していて。「こう来たか」みたいなことが、必ず毎年ニュースとして届けられるので、本当に目が離せないメーカーだと思っています。すごく信頼してます。昔は何となく、安いレンズを作っている感じだったんですけど、もうあっという間に印象変わりましたよね。むしろ高級ブランドの佇まいになりましたね。その辺りのチャレンジもすごく好きです。
ブランドって、こんなふうに変えられるんだな、と驚きとともに見ています。そういう柔軟さとか果敢さがいいですよね。以前『ほぼ日』の取材で菅原一剛さんと一緒に工場にお邪魔したことがあるんですけど、やっぱり生産体制も素晴らしくいいし、皆さん楽しそうに働いてらっしゃるし、やっぱりいいメーカーだなと僕は思っています。

道具と素材がよければ多少へましてもおいしくできる
僕は多趣味とはいえないんですけど、料理は実益も兼ねて好きです。食べることも当然好きです。旅行も本も好きだし、音楽も好きだし。といっても楽器を演奏するわけではないし、小説を書くわけでもないんですけど、受け手として好きですね。
道具に関しては、料理とカメラって似ているかもしれないです。最初にコンタックスを選び、今はSIGMAを使っているという感覚と、このフライパンを使いたい、この包丁でないとという気持ちは、そんなに遠くないと思います。まず、かっこいいなと思う。そのあと成果がちゃんと上がる。その二点を信頼して道具を買うことが多いです。
料理って、道具がよければ、そして素材がよければ多少へましてもおいしくできるんです。カメラも同じじゃないかって気がちょっとしています。

むしろどんな人にも使ってほしい。どんな人でも楽しく使える
fp、フレンドリーです。僕は長年のFoveon好きですけど、dp、勧めにくかったですもん(笑)。いや、大好きなんですよ、仕上がりも最高ですし。なんだけど、何ていうのかな、なかなか一緒に旅をするには頑固っていうか気難しい友っていうか。fpはすごく柔軟で、ご飯に誘ったらすぐ「一緒に行こう、行こう!どこどこ?」ってどこへでも付き合ってくれる人。dpは、「何、どこ行くの? 何食べるの?」「っていうか、いつ?来週にしてくれる?」みたいな(笑)。でも、すごく面白いやつ。同じ会社から出てきた、まったく対照的なきょうだいという感じが面白いなと思うんです。そういう意味で、fpは相当いいんじゃないんですか。むしろどんな人にも使ってほしい。どんな人でも楽しく使える。取っ付きにくくないので、皆さん使ったらいいと思います。


武井 義明

「ほぼ日」編集者

編集者。「ほぼ日」勤務。
1966年3月12日生まれ、魚座A型。
静岡生まれ、東京在住。
早稲田大学卒業。
週2のワークアウト、毎日の自炊、
隔週の床屋、冷蔵庫いっぱいの食材、
増え続ける服と本と食器とCDとレコード、
古いオーディオ、カメラ、
いそがしくたのしい仕事、年に数回の旅。
そんなふうに暮らしております。

ほぼ日刊イトイ新聞