第327回
シグマ会津工場を訪問(2部) / Visit to The SIGMA Aizu Factory (Part2)
September 06, 2023
生産されたレンズをカメラにとりつけて写真を撮り、レンズの性能に問題がないかを確認している様子。
押本:チャートを照らす灯りでシルエットになった従業員の後ろ姿に自分自身を投影し、大口径標準レンズの決定版であるSIGMA 50mm F1.4 DG DN | Artで部屋の中央から撮影した。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
カメラ・交換レンズメーカーであるSIGMAの会津工場訪問は、比較的静かな空間で細かい作業が中心になるだろうと思っていた。しかし、「SIGMAは、一部の加工を除くレンズ研磨、プラスチック部品の成形、塗装、基板実装、組立て、微細な部品製造、金型の製造までほぼ完全内製化。」と、同社の会津工場情報にある様に、ほぼ完全内製化された工場では、重量感のある機械や工具を使用した作業シーン等、多彩な作業工程が見られた。
金型をメンテナンスする場所。金型にキズがないか、スムーズに摺動しているかの確認を行い必要に応じてグリスアップなどのメンテナンスを行っている。金型を持ち上げる際はクレーンを使用する。
押本:製品を生産するのに欠かせない金型がぎっしりと並び、メンテナンスが黙々と行われているこの部署にSIGMAの力強さを感じた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art
1枚の金属板からプレス加工により生産されたレンズの絞りに使用されるパーツ。
押本:次々と生産されてくる金色のパーツは輝いていた。豊富なカラーモードの中からウォームゴールドを選択。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art
品質保証部でレンズの最終検査を行っている様子。実際にカメラに取り付けて、動作等に問題がないかを確認している。
押本:レンズをカメラボディに装填する音やシャッターを切る音に、カメラ・交換レンズメーカーの工場にいるのだと実感させられる光景だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
塗装したプラスチックパーツを目視で検査している様子。
押本:明るいLEDライトの下、検査が入念に行われていた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
レンズの絞りに使われるパーツを、加工後に不良品がないか検査している様子。
白い紙の上で行う検査は、手先の動きの速さが印象的だった。白い手袋の質感を失わないように撮影した。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
塗装前のパーツを並べている準備風景。網の上に等間隔に並べ、上方向から塗装を行う。
押本:ここも非常に明るい作業場で、素早く淡々と続けられる社員の手先は休むことがなかった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
メッキ工程でパーツを洗浄している様子。
押本:規則正しく作業が進んでいく工程を追って撮影した。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
ズームリングを加工機に取り付けて焦点距離を印刷している様子。
押本:取り付ける動作が素早く、捉えるのが容易ではなかった作業。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
レンズのエディションナンバー(発売年)に色入れをしている様子。
押本:細かい手作業に職人技を見ているようだった。この写真の撮影に使用したSIGMA 50mm F1.4 DG DN | Artにも(023)の白い数字が確かに入っていた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
レンズのズームロックスイッチに色入れをしている様子。
押本:従業員の肩口でカメラをしっかりホールドし、色入れする小さな部分にフォーカスした。等倍に拡大して見ると1点をシャープに捉えているのがよくわかる。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
レンズの研磨工程で、レンズをパットに押し当てて精度出しをしている様子。
押本:カメラでもよく認識されるようになったが、交換レンズのメーカーとして長く知られてきたSIGMAらしい光景だと思った。休みなく働き続ける研磨機には、実直で研鑽を怠らない会津人気質を感じた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
撮影が主になった工場訪問初日は、照明道具なし、従業員にポーズの要請はなしのスタイルで、作業光景をその場の空気感と共に素直に切りとり、予定を一時間半ほど延長して終えた。長い一日が終わると本社からアテンドしてくれたKさんが社用車を運転し、宿泊先の旅館へ送り届けてくれた。私は久しぶりに温泉に浸かり、美味しい会津のお酒も頂き、この日の疲れを癒やし、翌日の工場訪問を楽しみにして早めに床に付いた。
*シグマ会津工場訪問(3部:10月4日公開予定)に続く
*今回は、私だけで撮影した写真に正しいコメントをつけるのは不可能なので、工場内を案内して下さったWさんにコメントを付けてもらい、そこに私のコメントを添えるかたちにしました。連載は3部に分けています。(8月3日、9月6日、10月4日に掲載)