SIGMAのものづくり

SIGMAのものづくり
SIGMAのものづくりを語る上で、個別の技術以上に重要なこと。

ひとつは、つねに新しい技術や変革に挑戦し続ける開発姿勢。
もうひとつは、その挑戦を現実のものにする会津工場の存在です。

技術革新に挑戦するエンジニアと、それに応えて加工精度を追求する熟練工。

異なる部門や技能・技術の相互作用が、唯一無二の製品を生み出すSIGMAのものづくりのエンジンです。

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コア技術の総和が実現する、
独創的で革新的な製品とサービス

SIGMAのコア技術。それは、開発、工場におけるものづくり、そしてサービスの3つに大きく分類されます。その中で生み出されるデジタルカメラ、レンズ、アクセサリーやソフトウェア。それぞれ異なる部門の技術や知識の相互作用による、ひとつの分野の開発では得られないひらめきが、SIGMA独自の製品やサービスにつながっています。そして開発からものづくり、サービスまでのその多くをSIGMA自身が担うことにより、会社組織として知識や経験が蓄積され、さらに新しい発想や技術の発展へと連鎖しています。
SIGMAのコア技術

SIGMAのコア技術

SIGMA製品 相関図

SIGMA製品 相関図

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"Small office, big factory"

これは、創業以来一貰して提唱し続けた事業哲学のひとつであり、SIGMA独自の生産体制を最も的確に表現している言葉です。SIGMAの製品開発の多くは「こんなレンズを作りたい」「こういう製品こそSIGMAが作るべき」という理想の追求からスタートしますが、その理想を具現化するには高い生産技術が必要不可欠です。鋭い発想力とそれを形にする豊かなものづくりの力。このバランスをSIGMAは企業哲学として大切にしています。
会津工場で行われる製造から出荷までのフロー

会津工場で行われる製造から出荷までのフロー

本社と会津工場の密接な生産体制。
連携のとれた事業連鎖が強み。

本社と会津工場の密接な生産体制。連携のとれた事業連鎖が強み。

綿密かつスピーディなものづくりを可能にする「Face to face」

SIGMAは製品に関わるほぼすべての製造、加工、組み立てを、自社会津工場と東北を中心としたコンパクトなサプライチェーンにより構成する国内一貫生産体制をとっています。世界中から一番安い部品を調達する「グローバル調達」方式がトレンドである製造業においては特殊な生産体制といえます。ではなぜ、あえてコストを取り国内一貫生産にこだわるのか。それは独自かつ高品質な製品を作るためにはこの体制が不可欠であると考えるからです。
本社、会津工場、そしてサプライチェーンが同じ国に存在することでできる「Face to face」のコミュニケーションは、綿密かつスピーディなものづくりを可能にします。そして、一貫して同じ組織、人々がものづくりに関わることで、多くの経験や知識、ノウハウが蓄積し、そこから新たなアイデアも生まれます。こうした決してお金では買えない価値が私たちにとって最も大きな財産であると考えるから、SIGMAは国内一貫生産体制にこだわるのです。
本社と会津工場の密接な生産体制。連携のとれた事業連鎖が強み。

綿密かつスピーディなものづくりを可能にする「Face to face」

レンズとカメラ。写真哲学を具現化する独自技術。

今日の交換レンズには、デジタルカメラの高解像・多機能化に伴いより高い性能が求められています。飛躍的な技術革新が起こりにくく技術の積み重ねが重要な光学設計、常に最新技術へのキャッチアップが必要なソフトウェア、そしてそれら全てをまとめ上げる機構設計。それぞれにおいて経験豊富な技術者の存在とノウハウの蓄積が必要不可欠です。
そして、SIGMAにとってもうひとつの柱となるカメラ開発。世界唯一の垂直分離方式センサー「Foveon」を搭載したQuattroシリーズや、小型軽量フルサイズのfpシリーズといったユニークなカメラの開発は、SIGMA独自の画像処理、ソフトウェア、機構設計技術を確立させました。
そしてなにより、レンズとカメラという撮影に欠くことのできない両方の道具をつくることは、私たち自身が常に撮影者としての視点で「撮ること」の本質的な楽しさや喜びについて考えることにつながっています。
レンズとカメラ。SIGMAの写真哲学と事業理念の具現化にはどちらも欠かせない存在なのです。

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シグマが
遠回りするわけ。

SIGMAの製品づくりではつねに「最高」のクオリティにこだわりつづけています。
その原動力は、SIGMA自身が誰にも負けない「写真愛好家」であり、記録と表現という写真の命題と、撮り手の情熱に対する深い共感を持っているということ。
効率や生産性のみを重視していては決してたどり着けなかった品質やこだわりを、工場のエピソードから少しご紹介したいと思います。
「生産は川の流れのように」

「生産は川の流れのように」

SIGMA創業者山木道広の言葉。
会津工場を訪れる度に工場の全工程を隅々まで回り、滞りなく生産が行われているかを自身の目で確かめていました。
500種類

500種類

交換レンズを構成する1枚1枚のレンズについて、現在異なる機種間で共通して使えるものは存在しません。生産計画で決められた機種の生産数に合わせ、約500種類のレンズを会津工場で作り分けています。
東京・会津間300km換算で2cm

東京・会津間300km換算で2cm

SIGMAの球面レンズの表面粗さ精度(完全な平滑面に対する粗さ・ざらつきの程度)は2ナノメートル以下で生産されています。これは東京会津間の直径300㎞のレンズと考えた場合、その間にある凸凹が2㎝以下におさえられているということ。
Φ10mmからΦ198mmまで

Φ10mmからΦ198mmまで

現在SIGMAで生産しているレンズの中で最大のものは、APO 200-500mm F2.8 EX DGの最も前側にあるレンズで直径198mm。コートを蒸着させるだけでも8時間を要します。対して最小のレンズは8-16mm F4.5-5.6DC HSMの7番目のレンズで直径が10mmです。
3分が込められた3文字

3分が込められた3文字

SIGMA GLOBAL VISION以降のレンズから採用している3桁の数字は、その機種の発売年の明記という目的と共に、ヴィンテージワインのように長く愛着を持たれる製品になれるよう願いが込められた数字です。 この3文字が彫刻仕上げの機種では、極小エンドミルを使って加工。およそ3分の時間をかけ、丁寧に彫り込んでいます。
バヨネットのこだわり

バヨネットのこだわり

真鍮製のバヨネットには厚めのクロムメッキを施し、傷一つない外観品位にこだわっています。
また、業界内ではいち早く三価クロムを採用。メッキ膜形成が難しくなるデメリットをカバーし、0.5ミクロンの厚みを維持。毒性の高い六価クロムから代えることで作業者の安全と工場の周辺環境に配慮しています。
「あと5ミクロンを攻める!」

「あと5ミクロンを攻める!」

金型製作では仕上がりの精度を突き詰めています。成形品の微調整のために、金型に対するミクロン単位(0.000'001メートル)のオーダーも普通のこととしてやりとりされています。
全出荷レンズのデータを持つA1

全出荷レンズのデータを持つA1

SIGMA GLOBAL VISION以降のレンズではA1というシグマ独自のMTF測定器で全数測定・保証済み。全ての測定データは会津工場に保管されています。
人の手で塗装

人の手で塗装

機械では難しい部品は手吹き塗装をしています。例えば500mm F4 DG OS HSM | Sportsのフィルターホルダー挿入受け口の複雑な内側形状は、作業者がスプレーでひとつずつ塗装しています。他にも、大口径レンズの三脚座も人の手で塗装しています。
測定器を超えた加工技術

測定器を超えた加工技術

鏡室などの精度が必要なパーツの金型製作には、工作技術にもこだわります。その精度は超高精度と言われる三次元測定機をも凌駕する、加工誤差0.002mm以下。精度を測るためのものさしすら超えて、どこまでも高精度を追求しています。
しっとり

しっとり

品質保証部では製品の性能や外観だけでなく、ズームやスケールリングのスムーズさや操作感など数値化できない官能的な部分も重要な製品の品質と定義しています。「リングのしっとり感が足りない」という理由でNGが出ることもあるほど、厳しく評価しています。

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