何気ない暮らしの中にある
文化の蓄積をとらえる

コウ・ケンリョウ
黃建亮

23mm F1.4 DC DN | Contemporary Special Impression

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 500, F1.4, 1/160s

写真は、40年以上にわたって、文化に関連する問題を観察し、考えるために私に寄り添ってきました。台湾からアメリカに留学し、ユーラシア大陸、日本、韓国、東南アジアを旅しました。世界のどこに行っても、私の好きなことは、庶民の生活を観察することです。街を歩き、ドアを押してさまざまな店に入り、市場に混じり、あるいは教会や寺院に来て、寺院の儀式に参加し、異なる人々、異なる信仰、異なる食生活や生活様式を目にすることで、現地の人々がどのように生活しているのか。通りや路地でのみんなの日常生活が、実は文化の蓄積であり、それぞれの通りや路地の空間や細部は、地域文化の最も具体的で実践的な提示でもあるのです。

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 800, F1.4, 1/125s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 3200, F1.4, 1/125s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 5000, F1.4, 1/125s

特に伝統的な市場は、着るものから食べるものまですべて市場で買うことができ、基本的にはデパートの原型ともいえるものです。食べ物だけでなく、洋服や靴、靴下、そしてさまざまな日用品があり、それぞれの屋台にはオーナーがいます。長年の取引経験が、それぞれの分野でのプロ意識を作り上げていて、屋台の食べ物もユニークです。陳列の仕方も、お客さんとのやりとりも、言葉や体の使い方も個性豊かです。多くの古い市場は築100年以上の建物の構造下にあり、長きにわたって日々の取引が行われてきた歴史ある場所ならではの雰囲気を醸し出しています。台湾の屋台のオーナー達は、屋台に吊り下げフック、ピンクのビニール袋、風雨除け・日除けのキャンバス地、扇風機、ランプなどを取り付けています。大小さまざまの実用的な小物は一見雑然としていながらも、コラージュの妙味で他の土地にはない不思議な雰囲気を生み出している。スーパーマーケットやコンビニエンスストアが乱立する台湾で、日用品や日々の食材を買うために伝統的な市場を選ぶ人が多いのは、それだけ市場が魅力的だから。庶民の生活に必要なものはすべて市場にあり、それぞれ独特の売られ方で提供されています。市場でみられるのは、食材の文化的背景そのものです。市場の内外い、一見何の脈絡もないように見えながら、実は実用的で意味のあるものが特別な光景を作り出しており、台湾がいかに多文化的な場所であるかを表しています。

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 2500, F2.8, 1/125s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 3200, F5.6, 1/160s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 2500, F3.2, 1/125s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 6400, F2.5, 1/125s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 500, F2, 1/125s

*撮影データの記載なき写真はSIGMA 23mm F1.4 DC DN OS | Contemporary以外のレンズで撮影されています。

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 6400, F2.8, 1/125s

寺院の縁日も好きな写真の被写体です

台湾にはさまざまな民族が存在し、それぞれ生活に対する姿勢が違い、自然に繰り返される季節は、異なる宗教文化がそれぞれ長い年月行ってきた宗教上の儀式と一体となっているのです。

人は生きる意味を確認するために儀式を行います。冠婚葬祭、お寺の縁日、建築の儀式など、都市と農村の格差が生活の姿に変化をもたらしながらも、異なる民族の文化継承の過程や繰り返される儀式を見ながら、時代の巨輪は前進してきたのです。そしてそこには、同じ概念の持続だけでなく、変化する時代への妥協もあるのです。

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 640, F1.4, 1/125s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 800, F1.6, 1/125s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 6400, F1.4, 1/125s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary,
SIGMA fp L, ISO 640, F1.4, 1/125s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 6400, F2.8, 1/160s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 3200, F1.4, 1/125s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 100, F13, 1/160s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 100, F10, 1/160s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 100, F6.3, 1/640s

普段使用しているSIGMA fpはフルサイズカメラの中でも最軽量で、私のようなストリートフォトグラファーにとって、利便性と優れた画質を兼ね備え、とても魅力的です。当初は、手持ちの古いライカレンズを付けて使っていました。新しいボディとオールドレンズの組み合わせで、私の新しい写真の瞬間が訪れ、デジタルカメラでもフィルムのような画質を維持することができるようになりました。その結果には大変満足しています。しかし、使い勝手の悪さを感じるようになり、オールドレンズのマニュアルフォーカス、露光中の絞りシャッターの連動ができないことなどが気になり始めました。せっかくの高機能カメラを無駄に使っているようで、このままオールドレンズと使い続けるのはどうかと思うようになりました。

そこで、SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN|Contemporaryを購入しました。SIGMA fpのようなミラーレスカメラ専用の比較的軽いレンズです。実際、このレンズの品質はかなり良いのですが、また問題が出てきます。レンズが全体の割合として比較的重いのです。ボディが軽いので頭が重い感があり、レンズの全長が長く、小さいバッグには入りません。私がこのカメラを使い始めたのは軽さのためではなかったか?とふと考えました。

そして今回、この新しいSIGMA 23mm F1.4 DC DN|Contemporaryという、APS-Cフォーマットの単焦点レンズを、約6100万画素のSIGMA fp Lカメラのクロップモードで使う機会があり、全体の撮影感覚が戻り、カメラとレンズ全体の重量がバランスのとれた状態になりました。換算すると約35mm相当で、これも慣れ親しんだ画角なので、とても使い心地が良く、オートフォーカスも格段に速く、開放F1.4でも使い勝手が良いのです。いつでも撮影でき、たとえ片手でも柔軟に操作できてとても便利です。絞りをF5.6に合わせれば、基本的に撮影時にピント合わせを気にする必要はありません。つまり、使いやすい高画質ポータブルカメラという、本来あるべき機能に戻ったのです。

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 640, F1.4, 1/125s

SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary, SIGMA fp L, ISO 6400, F3.5, 1/125s

特に、夜の市場や路地裏など、薄暗い場所で写真を撮るのが好きな私にとって、開放F値1.4のレンズは本当に便利です。直接の光源がほとんどない暗い部分でも、調整後は多くの微妙なディテールが浮かび上がってきます。

私は写真を撮るとき、ISOをオートにして、カメラに任せたいのです。ただ観察に集中し、ストリートの雰囲気を注意深く感じ、被写体と対話し、そのあと初めて撮影した写真について考えれば良いのです。その背後にある文化や内面的な質感をとらえるには撮影がリラックスでき、楽しく、満足のいくものであるべきです。

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