第320回 第69回全日本チンドンコンクール(前編)/ The 69th All-Japan“Chindon” Traditional Street Performer Contest (Part1)
富山市でチンドン屋さんのコンクールが開催される情報を知人から得た。海外生活が長い私は日本独自の文化に興味があり、4月7日から9日の間に開催されるこのイベント取材を数ヶ月前から予定した。
80コンテンツ
富山市でチンドン屋さんのコンクールが開催される情報を知人から得た。海外生活が長い私は日本独自の文化に興味があり、4月7日から9日の間に開催されるこのイベント取材を数ヶ月前から予定した。
4月中旬、埼玉県入間郡越生町龍ヶ谷にある龍穏寺境内のシャガが満開で、花を撮りたければ急いだほうがいいとの連絡が知人からあった。龍穏寺には去年の梅雨明け前、黒山三滝を巡った後に立ち寄った。その際、境内の建物や龍神伝説のある龍ヶ谷にも惹かれ、再訪問して周辺を散策したいと思っていたところ、たまたま同寺と縁がある知人から良い情報を得られ、数日後、寺の建つ龍ヶ谷へ向かった。前日の午後は雨が降ったようだが、龍穏寺に朝8時に到着すると境内には木々の間から朝陽が差し、清々しい春の朝だった。
今年の桜の開花は早く、4月初旬に近場の桜は見頃を終えてしまったが、長野県須坂市の桜はまだ見頃だとの情報を得て現地へ向かった。マップで見つけた「弁天さんのしだれ桜」を目的地にし、高速道路を下りた後、須坂市の街中を走りながら目についた場所に立ち寄った。
134号線はよく車で走行するので江ノ島の前は何度も通ってはいたが、橋を渡って江ノ島へ行ったこともその近辺も歩いたことがなかった。3月の第3月曜日、毎日のように目にする近くて遠い場所だった江ノ島へ江ノ電に乗って行こうと思い立ち、横須賀線で逗子駅から鎌倉駅まで行き、朝9時34分発の江ノ電に乗り込んだ。
春に黄色い花を咲かせるジンチョウゲ科のミツマタが見られるハイキングコースを探し、「森林セラピー 蓑毛・春嶽湧水(はるたけゆうすい)コース」という神奈川県秦野市蓑毛地区のハイキングコースを見つけ、3月中旬に現地へ向かった。コースのスタート地点になる緑水庵に到着したのは朝の9時半、カメラリュックを背負った私は水車小屋から撮影を開始した。
朝、犬の散歩で海岸を歩いていたら船を海に出す準備をしている老夫婦がいて、数日前にワカメ漁が解禁になったことを知らされた。この日は富士山を大きく入れた写真を撮影しに箱根近辺の山を歩こうと思っていたのだが、予定を変更し葉山町の海岸でワカメ漁を撮影することにした。犬の散歩から自宅に戻ると、山歩きから海岸での撮影に変更したので機材を少し入れ替え、カメラ・リュックを背負い再び海岸へ戻った。
晴れ間もあるが雲の多い日との予報だった冬の日、三浦半島中央の少し北に位置する東西約6㎞、南北約2.5kmに及ぶ丘陵地帯である三浦アルプスの一部を歩いた。夏の日、陽射しを避け日陰の多い森戸川林道を歩いたことがあったが、この日は陽光を心の中で求めハイキングコース西端の仙元山から歩きはじめ南尾根を東へ向かった。
昨年末、千葉県北東部に位置する銚子市へ初めて訪問した。土地勘のない私は、ナビの目的地を有名な犬吠埼灯台にセットし、銚子大橋で利根川を渡り銚子市に入った。灯台を目指して千葉県道254号銚子公園線を少し南下し、犬吠埼灯台まで続く日本の渚百選に選定さている君ヶ浜と呼ばれる長い砂浜の北端に車を停め、この日の撮影を開始した。
昨年末、関東地方でハクチョウが見られる場所を探し、茨城県潮来市にある北浦湖岸の「白鳥の里」を見つけた。潮来市のHPに「初めて白鳥が飛来したのは、昭和56年に6羽で、現在は100羽以上飛来する年もあります。」とあり、年度別白鳥飛来数が書かれた表によると、平成25年度から100羽を超え、令和2年度は430羽に達していた。例外もあるが、例年の飛来日は11月中旬で飛散日は3月下旬と思っていいようだ。
12月中旬、神奈川県横須賀市の三笠桟橋(猿島渡船乗船場)から東方に約1.75 km沖合に浮かぶ猿島へ、朝一番のフェリー(9時半出港)で渡った。前日の嵐のような強風は収まっていたが、フェリーのデッキは冷たい風にさらされ、猿島に到着し桟橋から続く大きなテラスに立つと島にも冷たい風が吹き抜けていた。
11月の第2週目、静岡市内から日本三大急流のひとつである富士川沿いを北上し山梨県に入り、県道140号線を北上した。目的地の西沢渓谷の入り口まで8kmほどに近づいた笛吹川沿いの清水渓谷と呼ばれる地域は紅葉が見頃だった。
朝、静岡市内で用事を済ませた後、紅葉が見頃との情報を得た梅ケ島温泉へ向かった。この日の朝は雲ひとつない秋晴れで気温も高く車の窓を開け、静岡と山梨の県境に位置する大谷嶺・八紘嶺・安倍峠を水源に駿河湾へ注ぐ安倍川沿いの県道29号線(梅が島街道)を北上した。
軍の施設跡に興味を持った私は、10月中旬、千葉県南房総市の大房自然公園に残された要塞施設跡を散策した。その後、共に東京湾を護る目的で造られた対岸の三浦半島・観音崎にも砲台群が残されていることを知り、11月3日(文化の日)、県立観音崎公園の一部を散策した。
今年の5月、和歌山県の北西端に位置する加太・深山地区の砲台跡周辺を散策して以来、戦時中の軍の建造物に興味を持った私は、千葉県南部の浦賀水道に面して突き出た大房崎にある日本軍要塞施設跡を見つけた。岬は自然公園に指定され周辺も絵になりそうなので、10月の中旬に車で現地へ向かった。ナビの目的地を大房岬の少し北、原岡海岸と多田良北浜海岸間にある原岡桟橋(岡本桟橋)にセットし、朝の4時半に三浦半島の自宅を出た。
関東地方に大きな岩が見られる場所を探していたら、栃木県足利市名草上町にある「名草の巨石群」を発見し、10月の第一日曜日、車で現地へ向かった。足利市名草地区に入り名草川沿いの道を北上して行くと道沿の田畑は消え、森が迫って来る山道になり、朝の8時前に名草厳島神社の鳥居前を通り過ぎた。
芸術家が集まる美しい街カーメルから130km程南の海岸線で夜を越した私は、陽が昇ってから鳥の鳴き声で目が覚めた。海岸線は冷たい風が吹き抜け、とても真夏とは思えなかった。