第290回

法性寺から名越切通しへ / Hossho-Ji Temple to Nagoe Kiridoshi Pass

January 20, 2022

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/30s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
カラーモード モノクローム

13世紀前半に整備され、鎌倉時代は鎌倉と三浦半島を結ぶ要路のひとつだった名越切通し。前日に降った雪が午後になっても残り、名越切通しがもっとも狭くなる第1切通しは冬景色だった。かつて3mほどあったこの切り通しの幅は地震などで徐々に狭くなり、現在狭いところの幅は1.5m程に狭まっている。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art

年が明けた6日目、東京都心で最深積雪が10cmになり、関東地方にしては大雪となった。雪が降った翌日の昼過ぎ、逗子市久木にある日蓮宗の寺院、法性寺(ほっしょうじ)から名越切通しまで歩いた。名越切通しは鎌倉から三浦半島方面へ通じ、東京湾を渡り安房(現在の千葉県南部)へ渡る交通路として開削された。雪景色を期待して向かったが、この日は気温が上がり、昼前には樹木に覆われた名越切通しの周辺以外はほとんど雪が消えていた。
文応元年7月16日(1260年)、日蓮は幕府へ宗教政策の転換を促す「立正安国論」を鎌倉幕府五代執権・北条時頼へ提出し、その約1ヶ月後、他宗の信者や幕府の役人達の反発を買い、襲撃・焼き討ちにあった「松葉ヶ谷法難」。その際、日蓮が三匹の白猿に導かれ岩窟へ避難し難を逃れた地に建てられたとの言い伝えがある法性寺は、その言い伝えからのイメージとは異なり、地方の小さなお寺のような素朴さがあった。急な石段の先にある奥の院は心休まる静かな空間だったので、境内に雪が完全に消えた翌朝も訪ねた。

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/200s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 57.9mm
カラーモード モノクローム

名越切通しへのハイキングコースの入口になる法性寺の山門。扁額の左右にある木彫りは、日蓮宗の開祖・日蓮聖人が他宗の信者や幕府の役人達に襲撃された際、日蓮をこの地に導いて護ったと言い伝えられる白い猿。
【使用機材】SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 21.3mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード パウダーブルー

訪問二日目の朝に撮影。
前日の昼過ぎは雪解け水が激しく流れ落ちていた奥の院前の水瓶は凍っていた。
【使用機材】SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
シャッタースピード 1/640s
絞り値 F2.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 105mm
カラーモード モノクローム

奥の院前で日向ぼっこをする黒猫。
寄った写真用に持参したSIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは中望遠としても使い勝手が良かった。
【使用機材】SIGMA fp, SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/500s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 22.2mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

奥の院からさらに高い場所に山王大権現が祀られた塔が建つ。
日蓮を救った白猿は山王大権現の使いだと言い伝えられている。
【使用機材】SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/500s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 22.8mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

境内の一番高い場所から墓地とその周辺を見渡す。むき出した岩壁の大切岸は、長い間、敵の侵入を防ぐ防御施設として削られた壁だとされていたが、最近の発掘調査で石材の切り出し場だったことが判明した。
【使用機材】SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
シャッタースピード 1/1000s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 105mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

山王大権現が祀られる小高い場所から境内を見下ろす。
黒猫に餌を与える人がいたが、手慣れたようだったので日課にしているのかもしれない。
【使用機材】SIGMA fp, SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/1250s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 25.1mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード シネマ

法性寺から名越切通しへ向かい、上空にカラスの鳴き声が響き渡る森の中へ入る。
【使用機材】SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/60s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

名越切通しへ至る手前、大切岸へ出る山道脇で見かけた、鎌倉市指定文化財に指定されている石廟。神秘的な空間だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art

秋に訪れた際、名越切通しを通るハイカーにかなりすれ違ったが、雪の翌日で足場が悪いせいか、訪れる人は少なく切通しは静まり返っていた。火葬や墓所として使用されていたと考えられている「まんだら堂やぐら群」は期間限定の公開で今回見学はできなかったが、公開されている期間中に切り通しへ来る際は是非立ち寄りたい場所だ。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/30s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14.6mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

鎌倉寄りに一番近い名越切通し・第3切通し付近は雪がほとんど溶けてしまっていた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
シャッタースピード 1/160s
絞り値 F3.2
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 400
焦点距離 105mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

雪の上に落ちていた枯れ葉に午後の光が差す。
【使用機材】SIGMA fp, SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

少し雪が残っていた名越切通しからは、お正月気分がまだ漂う鎌倉の街を経て、鶴岡八幡宮まで足を伸ばしてみた。

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/160s
絞り値 F2.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 640
焦点距離 70mm
ホワイトバランス 色温度指定
カラーモード スタンダード

写真を撮るつもりはなく、ぶらりと鶴岡八幡宮の舞殿まで来てみるとこの日最後の舞が行われていたので撮影してみた。
【使用機材】SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

信者の叩く太鼓の音が響き渡る法性寺から、カラスの鳴き声が木霊する名越切通し周辺を散策した。日本の歴史が詰まったこの地区に身を置いた二日間を動画で記録した。

雪が思ったより早く溶けてしまい、雪景色と言えそうな光景が撮れたのは第1切通しの周辺だけだったこの日、切通しの撮影には超広角ズームレンズが必須だった。それに標準ズームレンズと中望遠も兼ねたマクロレンズ、Artラインから3本のレンズで様々な光景をしっかり撮影した。

名越切通し