第295回

日野沢三滝 / Hinozawa Three Waterfalls

April 07, 2022

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/250s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 16mm
焦点距離
(35mm換算)
24mm
カラーモード モノクローム

埼玉県秩父郡皆野町の秩父華厳の滝は、日光の華厳の滝に形が似ていることからその名が付けられたようだ。一直線に流れ落ちる滝は優雅で、滝壺前まで来たハイカーがしばらく滝に見惚れていた。
使用したAPS-Cサイズセンサー搭載ミラーレス用のSIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary(35mm版換算で24mm)は、この光景にジャストフィットな焦点距離だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary

3月最後の週末に埼玉県の親類宅へ行くことになり、同県内の穴場を探し、秩父郡皆野町にある秩父華厳の滝を見つけた。滝周辺も歩いて散策出来そうなので親類宅に宿泊した翌朝、滝へ車で向かった。
朝8時過ぎに秩父華厳の滝前の駐車場へ到着。トイレが完備された6台ほどの駐車場から散策路を少し登ると滝壺前に出た。日野沢川の支流の奈良屋沢にかかる秩父華厳の滝は、チャートと呼ばれる赤い岩石を一直線に流れている。硬い赤色の岩石は放散虫というプランクトンの骨格が深海底で堆積したもので、プレートが海溝に潜り込む際、海洋プレート上に堆積していた石灰岩やチャートが泥と混ざってできたメランジュ(混在岩)の一部だ。滝周辺は、中生代ジュラ紀(約2億年~約1.5億年前)の秩父帯と呼ばれる付加体で、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む際、海洋プレート上の堆積物がはぎ取られて陸側に付加した地質体のことだ。滝は、形も良くマイナスイオンも十分感じたが、滝の落ち口の上にかかる橋が気になり、空を大きく抜く撮影は控えた。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/320s
絞り値 F2.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 56mm
焦点距離
(35mm換算)
85mm
ホワイトバランス 色温度指定
カラーモード 風景

滝壺から流れてきた椿の落花が、沢に落ちていた枝に引っかかった。
岩場は滑りやすかったが沢へ下りて撮影した。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/200s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 16mm
焦点距離
(35mm換算)
24mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

朝陽で流れ落ちる水が眩しかった、落差12mほどの秩父華厳の滝。落差97mの日光の華厳の滝にはサイズと迫力は及ばないが、その姿は優雅だ。滝壺にはイワナも見かけ水質も良さそうだった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/320s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 16mm
焦点距離
(35mm換算)
24mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

チャートの影響か、滝を経て日野沢川へ注ぐ奈良屋沢も赤く見えた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary

秩父華厳の滝は、800mほど北にある上空滝(かみそらたき)に対し古くから下空滝(しもそらたき)と呼ばれてきた。私的には下空滝という呼び方の方が好きだが、観光には秩父華厳の滝の方がキャッチーだろう。皆野町のHPでは、上空滝の西に位置する不動滝を加え、日野沢三滝と呼び、この三滝を歩くコースを「五感で感じる 日野沢三滝周遊コース」と紹介し、「地域の森水空間創造整備事業により森渓流や湧水箇所において、森林や周遊散策路の整備を致しました。」と書かれている。日野沢(ひのざわ)とはこの地域を指す地名だ。私は日野沢三滝周遊コースを全て歩くことにし、散策路で秩父華厳の滝の落ち口にかかる林道まで登った。奈良屋沢沿いの林道は緩やかな上りで、北へ400mほど歩いた辺りで林道から森へ入った。山道を400m歩いて下りた沢は苔むす岩がゴロゴロ転がり、木漏れ日が美しい沢の先に白い上空滝が見えた。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/80s
絞り値 F2.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 30mm
焦点距離
(35mm換算)
45mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

木漏れ日が美しく、森が映り込む沢を渡り上空滝へ向かう。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/60s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 27.1mm
焦点距離
(35mm換算)
41mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード フォレストグリーン

高さ10mほどの上空滝が岩の転がる沢の先に見えた。
水量も多く、流れ落ちる水の音が大きく落ち着く水場だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

上空滝から林道に戻り、北へ少し上って奈良屋沢を渡り森の中へ入った。不動滝までの山道は分かりづらく、沢から離れて山道を数百メートル登ってまた引き返し、なんとかたどり着いた。上日野沢地区の奈良尾という集落にある不動滝は、昨年、新たに奈良尾三滝として見所に加わったと皆野町のHPに書かれているので、「日野沢三滝周遊コース」が設定されたのは最近のことのようだ。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/250s
絞り値 F2.2
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 16mm
焦点距離
(35mm換算)
24mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

不動滝の近くで見かけた木漏れ日を浴びたウバユリの実。
3月最後の日曜日は気温も上がり最高のハイキング日和となった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/15s
絞り値 F8.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 16mm
焦点距離
(35mm換算)
24mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード フォレストグリーン

昔は修験者が滝行をしたと言い伝えられている不動滝を見上げる。
画面右の木の後方の岩場にお不動さまが祀られているようだが、この時は気が付かなかった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16mm F1.4 DC DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/640s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 19.5mm
焦点距離
(35mm換算)
29mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード フォレストグリーン

不動滝から竹林を抜けて林道へ戻る。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 18-50mm F2.8 DC DN | Contemporary

不動滝を撮影した後、林道を下って秩父華厳の滝に戻ると滝は日陰になっていた。滝は南東に面しているので、陽の光を浴びた滝を撮るには朝に限るようだ。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/250s
絞り値 F5.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 56mm
焦点距離
(35mm換算)
85mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

滝と奈良屋沢が日陰になり、光を浴びた梅が浮き上がっていた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary

有名な長瀞の岩畳から約9km西に位置する日野沢三滝を5時間半かけてゆっくりと散策した後、日野沢川沿いをゆっくりと東へ走り日野沢を後にした。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/250s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 30mm
焦点距離
(35mm換算)
45mm
カラーモード モノクローム

かつて石灰岩を採掘し消石灰を生産していた石灰焼窯跡が、皆野アルプスへ入る秩父華厳の滝登山口のある日野沢川沿いに残っている。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F2.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 30mm
焦点距離
(35mm換算)
45mm
カラーモード モノクローム

日野沢川にかかる朽ちかけた橋は、鬱蒼とした森の奥深くへ続いているように見えた。
冒険心を掻き立てる橋だが、渡橋禁止のサインがありこの先へは行かなかった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 30mm F1.4 DC DN | Contemporary

日野沢三滝は前日の雨で水量が多く、どの滝も流れ落ちる水の音がいつまでも耳に残った。元気な鳥の鳴き声が響き渡る森は木漏れ日が美しく、森林浴を満喫できた。帰り道に日野沢ではまだ早かった満開の桜を見かけ、桜を背景にした比企郡嵐山町にある志賀観音堂のお地蔵様を撮ってこの日の撮影を終わりにした。

今回、上空滝で滝壺まで行かなかったこと、不動滝で木に隠れていた祠を見逃したことが少し悔やまれたので、紅葉の季節に再度「日野沢三滝周遊コース」を散策しカメラに収めたい。
機材は、前回と同様、APS-Cサイズセンサー搭載ミラーレス用のレンズを使用し、その小ささの恩恵を受け、傾斜のきつい山道と滑りやすい沢をフットワークよく動き撮影出来た。

秩父華厳の滝