第301回

仁和寺と奉納演奏会 / Ninnaji Temple and Votive Concert

July 06, 2022

カメラ SIGMA dp0 Quattro
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
焦点距離
(35mm換算)
21mm
カラーモード モノクローム

京都にある仁和寺の二王門から境内を見る。仁和寺では仁王像を「二王像」と表記することから二王門と呼ぶようだ。同時期に建立された知恩院三門、南禅寺三門は禅宗様の三門であったが、重層、入母屋造、本瓦葺の二王門は平安時代の伝統を引く和様で統一されている。
【使用機材】SIGMA dp0 Quattro

5月中旬、京都にある真言宗御室派の総本山である仁和寺の金堂にて、邦楽家・西松布咏(にしまつふえい)さんの唄と三弦による奉納演奏会が開催され、撮影スタッフとして立ち会った。公演は18時半からだったが、準備等のため午前中から境内に入り、準備の合間に金堂以外の場所も少し撮影した。
 仁和寺の山号は大内山。本尊は阿弥陀三尊。仁和4年(888)に創建された。金堂、木造薬師如来坐像(いずれも国宝)など、数多くの文化財を保有。境内にある遅咲きの桜は御室桜(おむろざくら)と呼ばれ国の名勝に指定され、1994年、「古都京都の文化財」の構成資産として世界遺産に登録された。仁和2年(886年)に第58代光孝天皇が「西山御願寺」と称する一寺の建立を発願するが、翌年崩御。意志を継いだ子の第59代宇多天皇により、仁和4年(888年)に金堂が落成。寺号も元号から仁和寺となった。宇多天皇は譲位後出家し、仁和寺に室を設け、御室御所とも呼ばれた。応仁の乱でほぼ全焼したが、江戸初期に徳川幕府3代将軍家光の支援を受け再興された。現在の伽藍はこの時代に造られた建物が多く残る。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F2.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 65mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

徳川家光の寄進により寛永14年(1637年)から正保元年(1644年)に建てられた二王門に安置されている金剛力士・阿形像。吽形像と共に迫力があり、レンズを向けると心が引き締まる思いがした。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F6.3
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 20mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

仁和寺の御殿(本坊)は、開基の宇多法皇の御所があった辺りに建つことから「旧御室御所」とも呼ばれ、白書院、宸殿、黒書院、霊明殿が渡り廊下で結ばれている。御殿の中心建物である宸殿の北側にある北庭は、池を中心とした池泉式の庭園で、池越しに見える茶室の飛濤亭(ひとうてい)、中門、五重塔が借景となっている。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/60s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 1250
焦点距離 20mm
ホワイトバランス 色温度指定
カラーモード 風景

宸殿の北東にある霊明殿は、仁和寺の院家であった喜多(北)院の本尊 薬師如来坐像を安置する為に明治44年(1911年)に建立された。内部は一室で三間幅の仏壇を設け、細部まで見事な装飾がなされている。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA dp0 Quattro
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
焦点距離
(35mm換算)
21mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード スタンダード

北庭からも見えた五重塔の初重西側にこの建物の歴史と力強さを感じ、大日如来を示す梵字の額にピントを合わせた。
【使用機材】SIGMA dp0 Quattro

前夜まで降った雨は朝までに上がったが、午前中の空は雲に覆われていた。午後になると雲が切れ始め、午後3時には青空も見え境内が明るくなった。夕方になると長い影が伸び、境内が一層美しく見えた。水掛不動を撮影中、お経が聞こえてきたので近づいてみると、修行僧が境内を巡って勤行をしている最中だった。水掛不動を最後のカットにして金堂に戻るつもりだったが、御影堂の前に移動した修行僧を追い、開場の5分前に金堂に戻った。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/400s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 20mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

演奏会が行われた金堂は仁和寺の本尊である阿弥陀三尊を安置する御堂。慶長年間造営の御所 内裏紫宸殿を寛永年間(1624〜43)に移築したもので、現存する最古の紫宸殿で当時の宮殿建築を伝える建築物として国宝に指定されている。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/250s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 20mm
ホワイトバランス 色温度指定
カラーモード スタンダード

晴れ間が出て境内が明るくなり、金堂の外陣側に飾られた六角菱灯籠が輝きを増していたので下から見上げてみた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/10s
絞り値 F3.5
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 800
焦点距離 65mm
ホワイトバランス 色温度指定
カラーモード スタンダード

現在金堂に祀られる阿弥陀三尊像は江戸時代のもので、創建時から伝わる国宝の阿弥陀三尊像は境内にある霊宝館に安置されている。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/250s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 20mm
ホワイトバランス オート
カラーモード スタンダード

陽が傾き始め、五重塔に再び戻った。寛永21年(1644年)建立。塔身32.7m、総高36.18m。各層の幅にあまり差がないのが特徴。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/200s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 20mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

鐘楼の西に位置し弘法大師像、宇多法皇像、仁和寺第2世性信親王像が安置されている御影堂前で修行僧がお経を上げる。境内から夕焼けを見たかったが、時間がなくこの後金堂へ戻った。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/320s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 65mm
ホワイトバランス オート
カラーモード スタンダード

関係者が出入りした金堂の西の出入り口。夕陽を受けた板唐戸の金細工が光っていた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary

奉納演奏会の前、仁和寺の境内を動画で撮影。

18時30分から開演した邦楽家・西松布咏さんの奉納演奏会の一部は、金堂の弱い室内灯とロウソクの光、二部はロウソクの光のみで行われた。薄暗い金堂に映る光景は、演奏会のタイトル「玄(くろ) 光と闇のあわい」に相応しかった。そして、邦楽の知識がない私は、三味線を膝に置き正座で唄う演奏に、撮影をしながら惹き込まれていった。一晩中かけた夏夜の野外コンサートや、巨大な会場で著名なロックバンドのコンサートを撮影した経験があり、大音量や派手なパフォーマンスに度肝を抜かれたこともあったが、阿弥陀三尊像の前で開催されたこの夜の演奏は、それらとは違う世界があり静かに心の奥底に響いた。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/100s
絞り値 F2.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 4000
焦点距離 65mm
ホワイトバランス 色温度指定
カラーモード スタンダード

普段は入ることも見ることも出来ない金堂の阿弥陀三尊像の前で、三味線を膝に置き正座で唄う奉納演奏会。物音ひとつ立てられない雰囲気と暗いお堂は撮影には優しくはなかったが、その場の空気感が伝わる写真が撮れたと思う。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary

金堂を囲む廊下にいる観客は皆息を呑んで唄声と三味線に聞き入った。1部最後の曲である富本「反魂香」の一部と、2部の地唄・黒髪から三味線演奏の一部を繋いだ。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/200s
絞り値 F2.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 1000
焦点距離 65mm
ホワイトバランス 色温度指定
カラーモード 風景

2部はロウソクの灯だけで行われ、ロウソクの炎が印象に残った演奏会だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary

始めて訪れた京都では、仁和寺と奉納演奏会以外何も見ずに帰宅したが、仁和寺からは境内に存在する全てのものが影響し合う小宇宙を、奉納公演からは闇の中から見えてくる光と静寂から聞こえてくる音の世界を感じ、京都遠征の満足感は高かった。

*掲載した写真と動画は、特別に仁和寺と西松布咏さんの許可を得て撮影・掲載しています。仁和寺の概要と歴史等、西松布咏さんのプロフィールは、以下のリンク先からご参照をお願いします。
仁和寺 https://ninnaji.jp/
邦楽家・西松布咏 http://www.misanokai.com/index3/misa_2.html

仁和寺