第305回
夏のサンシメオン、カリフォルニア / Summer in San Simeon, California
October 13, 2022
超広角ズームレンズを活かし、空、海、ビーチを大きく入れて長い桟橋を撮影した。サンフランシスコとロサンゼルスのほぼ中間地点の海岸に突き出した長さ259 m のサンシメオンピアは、何処から見ても絵になる桟橋だ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary
芸術家が集まる美しい街カーメルから130km程南の海岸線で夜を越した私は、陽が昇ってから鳥の鳴き声で目が覚めた。海岸線は冷たい風が吹き抜け、とても真夏とは思えなかった。
海岸に沿って南北に伸びる山脈(California Coast Ranges)と海岸の間に広がる草原にエルクの群を見た。
山の上から昇った強烈な朝陽が私を直撃する状況で撮影した。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
エルクの群れを見た草原に建つ小屋は朝陽を浴び、広い草原で一際目を引く存在だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
元気な鳥の鳴き声がそこら中から聞こえていた清々しい草原の朝。
エルクの群れを見た草原からパシフィックコーストハイウェイ(通称PCH)を5kmほど南下した辺りにゾウアザラシのサインを見かけたので、閉まっている古いモーテルの前に車を停め、海岸へ向かって歩いて行くとゾウアザラシの群れを見つけた。この海岸から少し南に、大きな駐車場が設けられたゾウアザラシを見学するよく知られた場所(Elephant Seal Vista Point)があるが、この海岸(Arroyo Del Corral Beach)はあまり知られていないようで、この朝、ゾウアザラシを見に来ているのは私だけだった。
オスは体長4.5m、体重2,000kg、メスは体長2.5m、体重500kg程度になる大きなゾウアザラシ。
ゾウアザラシは大きな鼻を持っていることからその名は由来している。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
太平洋に注ぐ小さな川の河口付近にもゾウアザラシを見かけた。
朝陽を浴び、コントラストの強い光景だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
鼻から非常に大きな音を発生するゾウアザラシに圧倒されながら撮影した。
ゾウアザラシの群れがいた海岸に建つ民家の白いフェンスと青い空のコントラストは、この地の空気感を伝えるのに良い光景だった。カラーモードはFOVクラシックブルーを選択。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary
ゾウアザラシがいた海岸の少し南には赤いワカメが打ち上げられていた。
1860年代には中国人の海藻収穫者の小さなコミュニティが海岸沿いにあったようだ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
肌寒かった海岸線は晩秋のような気候だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
ゾウアザラシを撮影した海岸から11km程南下し、新聞王の名前に因み名付けられたウィリアム・ランドルフ・ハースト・メモリアル・ステート・ビーチに立ち寄った。湾に突き出した桟橋が絵になるビーチは夏休み中で家族連れが多くとても賑わっていた。
海岸とPCHの間の草原に、小さな教会、大きな木、自由に動き回る馬がいた。
映画に出てくるような長閑な光景にカラーモードはシネマを選択。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
ビーチで強い陽射しから逃れて休憩するには桟橋の下が最適だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
強い陽射しを受け、海風に吹かれて水平線に向かって桟橋を歩く。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary
海岸から離れてもしばらく押し寄せる波の音が耳から離れなかったステート・ビーチ周辺。
陽射しが非常に強かったサンシメオン川が注ぐ海岸は、カメラを構えていると画面が揺れるほど風が強く吹き抜けていた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art
真夏の海岸で目を覚ますと秋のような気候で、この日はダウンジャケットを着たまま行動し、ビーチに舞い上がる砂と潮風により機材もかなり汚れた。この夜ロサンゼルスに移動し、機材クリーニングをしていると潮風に吹かれた海岸の風景が蘇ってきた。機会があれば、海岸近くのキャンプ場にテントを張り、朝から晩まで潮風に吹かれてみたくなった。
William Randolph Hearst Memorial Beach
撮影風景

この日使用した機材を海岸のベンチに並べてみた。
ゾウアザラシを撮影した風が強かった海岸。