第311回
冬の猿島(さるしま) / Sarushima Island in Winter
January 05, 2023
フェリーの後方からこの日6時間ほど滞在した猿島に別れを告げシャッターを切った。猿島は東京湾に浮かぶ唯一の無人島で湾内最大の自然島。アクセスも良く横須賀観光に欠かせない魅力のある島だ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
12月中旬、神奈川県横須賀市の三笠桟橋(猿島渡船乗船場)から東方に約1.75 km沖合に浮かぶ猿島へ、朝一番のフェリー(9時半出港)で渡った。前日の嵐のような強風は収まっていたが、フェリーのデッキは冷たい風にさらされ、猿島に到着し桟橋から続く大きなテラスに立つと島にも冷たい風が吹き抜けていた。
冷たい風に吹かれて横須賀市の三笠桟橋(猿島渡船乗船場)から猿島へ渡った。
明治28年(1895年)に建てられた猿島発電所の煙突は外側から目立たないように低く建てられている。現在も島の電力供給に使われているが、当時は石炭を燃やしていた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
島の中央、弾薬庫や兵舎等の旧要塞跡が建ち並ぶ切り通しへの入り口部分。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary
切り通しを進み、煉瓦造りのトンネルに入る。現在は綺麗なタイル張りで歩きやすいように整備されているが、昔は石がゴロゴロ転がっていたと、ガイドツアーから聞こえてきた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary
島の南東付近にあるフェリーの乗り継ぎ場からすぐに島の北端付近にある砲台跡に行き着いた。そこから近くにある島の名の由来とされる日蓮洞窟は立ち入り禁止だった。猿島は、1253年(建長51 年)5月、日蓮が房総から鎌倉へ渡る途中に嵐に遭った際、島に避難し一匹の白猿が現れへ案内したという言い伝えがある。
切通しから煉瓦のトンネルを経て、島の北端付近に残された対航空機用の8cm高角砲の砲座跡に行き着いた。砲台の上に立ってみたかったが、ここも立ち入り禁止だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
島の北東端のオイモノ鼻広場(卯ノ崎台場跡)は、東京湾が見渡せる眺めの良い展望スポットで、階段で岩場まで下れる楽しい場所だ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary
島の中央部の展望台広場から横須賀方面を見渡す。
少し霞んでいたが富士山も見え、気分良くここでランチタイムにした。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
オイモノ鼻広場に続く森の中にある高角砲の砲座跡。午後の木漏れ日が錆びたボルトを照らす光景のカラーモードはティールアンドオレンジを選んだ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 90mm F2.8 DG DN | Contemporary
朝、上陸した時の切り通しには陽の光はほとんど差さなかったが、遅い午後になると木々の間から光が漏れ、木漏れ日の力を借りて撮影した。
島にあるが深い森の中にあるように見えた要塞。カラーモードはフォレストグリーン一択だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F2 DG DN | Contemporary
朝は苔むした要塞の壁に陽がなかったが、遅い午後は木漏れ日で見違えるような光景になった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
桟橋でこの日の最終便(午後4時)のフェリーを待つ間に撮影した。
桟橋にある大きな鏡に映り込む猿島の森と青空が印象に残った。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
フェリーに乗り込む前、桟橋からウミウが飛び交っていた西側の断崖を撮影した。
猿島には越冬のため毎年400~700羽のウミウが訪れ、3月頃に北国へ戻って行く。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
湾内最大の島の大きさは、面積は約0.055km²、南北に450m、東西に200m、周囲は約1.6 km、標高は最高39.3mと小さいので、2時間もあれば普通は十分かもしれない。私は9時半のフェリーで島へ上がり、最終便の午後4時のフェリーに乗って横須賀へ戻ったので島に6時間以上滞在した。この日猿島は夜の芸術祭の開催期間中で、その設備のため撮影が多少制限されたが、被写体に困ることはなかった。フェリーのデッキに立つと寒いが、ウミウが飛び交う冬の猿島は写真好きにもお勧めだ。
東京湾に浮かぶ要塞跡のある猿島では、様々な光景に出会った。
猿島
撮影風景と機材
カメラは動画用と静止画用に2台のSIGMA fp Lを使用。静止画はIシリーズから20mm F2、45mm F2.8、90mm F2.8の3本のレンズ。
動画はIシリーズの20mm、45mmの2本に100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporaryも使用した。