第318回
長野県須坂市の桜 / Cherry blossoms in Suzaka City, Nagano Prefecture
April 20, 2023
長野県須坂市豊丘の奈良山(なろうやま)の山懐に、地元では「弁天さんの大桜」と呼ばれる一本桜が生息している。数日前に訪れた時はどんよりとした曇りで桜は五分咲きだったが、快晴になった日に再訪問すると北アルプスが鮮明に見え、「弁天さんのしだれ桜」は満開だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
今年の桜の開花は早く、4月初旬に近場の桜は見頃を終えてしまったが、長野県須坂市の桜はまだ見頃だとの情報を得て現地へ向かった。マップで見つけた「弁天さんのしだれ桜」を目的地にし、高速道路を下りた後、須坂市の街中を走りながら目についた場所に立ち寄った。
桜を求めて訪れた須坂市だったが、屋根の形に惹かれて立ち寄った広円寺のスイセンは、どんよりとした曇り空の下で一際目を引く存在だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary
須坂市の街中では、明治から昭和にかけて建築された蔵を生かした暮らしを見かけた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary
参道の桜が見事だった普願寺。鎌倉時代に埼玉県秩父に創建、室町時代に須坂市本郷町付近に移った。江戸時代中期延享4(1747)年に完成した現在の本堂は、県内の浄土真宗寺院の中で最も大規模な本堂のひとつ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
普願寺の東にある坂田山の麓は桜を主に花が美しく、山の中へ少し入って一時間ほど散策した。
坂田山の麓からはハイキングコースが続き、時間があればもっと奥まで登ってみたくなる魅力のある里山だった。
桜を主に花が美しかった坂田山。
空は雲で覆われていたので時おり差す陽光がとても有難く感じた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
坂田山では、「竜の割岩」と呼ばれる割れた岩がSNS等で知られた存在のようだが、私には顔が掘られたこの岩のほうが印象的だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary
目的地に設定した「弁天さんのしだれ桜」に、午前10時過ぎに到着すると駐車場には1台のタクシーが停まっていた。桜と駐車場の間に立っていたタクシー運転手は、「まだ半分だね、今週末頃が見頃じゃないかな」と目が合った私に話しかけてきた。桜の前には年配の夫婦がいて写真を撮っている夫に「お父さん満足した?もういいね」と、笑みを浮かべた奥さんが言い、夫婦はタクシーの方へ戻って行った。
年配の夫婦が去って誰もいなくなった「弁天さんのしだれ桜」。空がどんよりと曇っていたので、この日は正面からより駐車場から上って見るこの位置からのほうがしっくりきた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary
坂田山の南の麓にある浄土真宗大谷派の寺院・長妙寺の山門に惹かれて境内に入った。本堂の前にある樹齢約400年余と推定されるしだれ桜は、須坂市指定天然記念物に指定されている。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
鮎川にかかる参宮橋から撮影。
風が強かったが、鮎川沿いの桜が満開で花見客は多かった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
伊邪那美命(いざなみのみこと)、建御名方命 (たけみなかたのみこと)、菅原天神、事解男命(ことさかのおのみこと)の四神を祭神とする霧原大元神社(くにぎはらとよもりじんじゃ)の境内は、薄暗い杉の木立と本殿前のしだれ桜が印象的で神秘的な空間だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporary
八丁鎧塚古墳近くの満開だった桜の下に祠が祀られていた。
夕方になり、陽が少し出てきたので周辺を散策して撮った一枚だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary
須坂市を後にして4日後、満開になった「弁天さんのしだれ桜」を見たくて現地を再訪問した。この日は朝から快晴で長野県の山々が鮮明に見え、しだれ桜は期待通り満開だった。駐車場には5、6台の車が停まり、平日だったが訪問客は後を立たなかった。標高730mの地にあり、開花が平地より一週間ほど遅いが、今年は例年よりかなり早く満開を迎えたようだ。
「弁天さんのしだれ桜」は、須坂市豊丘の山間、湧水池「弁天池」のほとりにある樹齢推定250年、幹周約4m、樹高約13mの須坂市指定天然記念物のしだれ桜。弁天池には古くから水神が祀られ氏神として信仰が続いている。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporary
桜を求めて訪れた須坂市では、快晴の日に満開の「弁天さんのしだれ桜」も撮影出来たので満足だった。豊かな自然と歴史もある地域なので必ず再訪問したい場所となった。
弁天さんのしだれ桜
撮影風景と機材
35mm判換算で35mm相当となる新レンズのSIGMA 23mm F1.4 DC DN | Contemporaryは使い勝手も画質も良かった。Artラインの35mm判フルサイズレンズのSIGMA 35mm F1.4 DG DN | ArtとSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artは私の好きな組み合わせだが、併用したSIGMA 56mm F1.4 DC DN | Contemporaryは35mm判換算で85mmだから、コンパクトにまとめたい旅には、APS-Cサイズの23mm F1.4 DC DN | Contemporaryと56mm F1.4 DC DN | Contemporaryの組み合わせも良いと思った。