第182回

夏の下北半島ブラブラ

August 19, 2020

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
シャッタースピード 1/400s
絞り値 F8.0
露出モード A-絞り優先オート
ISO感度 100
焦点距離 310.5mm
ホワイトバランス オート
カラーモード ティールアンドオレンジ

長かった梅雨が明けて暑い夏がやってきた。新型コロナウィルスの影響で自由気ままな旅が難しい昨今だが、「密」を避けて人出が少ない場所を探し、ようやく辿りついたのは米軍基地のある北の街だった。
宿で荷ほどきをしてから SIGMA fp を手にブラブラと街へ探検に出かけた。いつもなら基地の人たちで賑わう街も新型コロナによる外出規制のため閑散としている。ゲート近くのメキシコ料理店で食事をしたあとバーに立ち寄った。「商売あがったりだよね。ここ最近ずっとこんな感じ」と誰もいない店内を指さしてマスターは言った。「夏休みだし観光にも来て欲しいけど難しそうだね」とあきらめ顔だ。ジントニックを2杯飲んでから再び街を撮り歩いたが人通りはほとんどない。とある店先には「県外、帰省の方の入店はご遠慮ください」との貼り紙が風に揺れていた。
翌日はさらに北を目指した。恐山、尻屋崎界隈を巡ったが観光客もまばらで、どこの土産物店も開店休業状態だった。夏の下北半島はとても美しく、訪れる価値のある場所なのだがどこも静かで、どこも人が存在しなかった。日中ずっと撮影をしてから再び基地の街に戻ったが、この日会話をした人は二人だけであった。
次の日は市内付近を撮り歩いたがやはり人がいない。航空関連の施設を訪れてようやく基地在住の人々が子どもを遊ばせている光景を見かけた。
結局家に戻るまで人にほとんど会わなかったことになる。今年の夏はとても暑いが、人との関わりが最小限のブラブラ撮影が続きそうである。

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/100s
絞り値 F2.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 3200
焦点距離 36mm
焦点距離
(35mm換算)
36mm
ホワイトバランス オート
カラーモード ティールアンドオレンジ

三沢基地ゲート付近の店も空いている。いつもなら基地関係者で賑わう時間なのだが閑散としていた。「空軍と通信関連の人たちが多いから飲み方はそんなに荒っぽくない」とバーのマスターが教えてくれた。「でもたまに弾けちゃうんだよね」と裏話もしてくれた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/60s
絞り値 F2.8
露出モード A-絞り優先オート
ISO感度 2500
焦点距離 55.5mm
ホワイトバランス オート
カラーモード ティールアンドオレンジ

歓楽街も寂しい。以前は大いに賑わっていたようだが今は歩く人も少ない。電飾の店名表示も昔は全部埋まっていたのだろうか。しかし SIGMA fp は高感度に強いので夜の撮影が楽しい。新しいファームウェアになってそれをさらに実感した。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/400s
絞り値 F9.0
露出モード A-絞り優先オート
ISO感度 100
焦点距離 19.8mm
焦点距離
(35mm換算)
19mm
ホワイトバランス オート
カラーモード ティールアンドオレンジ

翌日は恐山を訪れた。宇曽利湖は酸性の湖でほとんどの生き物が生息できないという。死者の魂が集まると言われる恐山に似合うではないか。誰もいない湖畔は火山ガスの匂いが鼻をついた。SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art の繊細な描写が心地よい。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/640s
絞り値 F6.3
露出モード A-絞り優先オート
ISO感度 100
焦点距離 42.5mm
焦点距離
(35mm換算)
42mm
ホワイトバランス オート
カラーモード ティールアンドオレンジ

この世とあの世を隔てる三途の川。それに架かる太鼓橋は老朽化のため今は渡ることができないようだ。渡り賃は六文銭と言われ、橋の手前には奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんねおう)が待ち構え、死者の服を剥ぎ取って柳の枝に掛け、枝のしなり具合で生前の悪行を見定めるのだという。なかなか面白い。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
シャッタースピード 1/1000s
絞り値 F8.0
露出モード A-絞り優先オート
ISO感度 100
焦点距離 400mm
ホワイトバランス オート
カラーモード ティールアンドオレンジ

下北半島の北東端にある尻屋崎灯台。国内最大級の実効光度53万カンデラ、塔高約33mの美しい姿を SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary で狙う。軽量コンパクトかつスリムな超望遠ズームは写りもバツグンだ。旅には必携のレンズと言えよう。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
シャッタースピード 1/400s
絞り値 F8.0
露出モード A-絞り優先オート
ISO感度 100
焦点距離 400mm
焦点距離
(35mm換算)
400mm
ホワイトバランス オート
カラーモード ティールアンドオレンジ

灯台の下では寒立馬が放牧されている。観光客も少ないのでのびのびと闊歩しているように見受けられた。迫力のある体格が魅力的な馬である。SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary はオートフォーカスも速く正確でその姿をしっかりと捉えてくれた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary

SIGMA fp で手持ちによるムービー撮影もしてみた。寒立馬が長い尻尾でたかってくるアブを追い払っているのがわかる。今年生まれた仔馬はまるでカンガルーのようなガッチリとした体格だ。スチルからパッとムービー撮影に移行できるのがこのカメラのいいところである。

カメラ SIGMA fp
レンズ レンズSIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/60s
絞り値 F8.0
露出モード A-絞り優先オート
ISO感度 100
焦点距離 34.4mm
ホワイトバランス オート
カラーモード ティールアンドオレンジ

翌日は青森県立三沢航空科学館を訪れた。館の前には人類初の太平洋無着陸横断飛行を成功させたパイロットのクライド・パングボーンとヒュー・ハーンドン、そして彼らの搭乗機ミス・ビードル号の像が建てられている。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/100s
絞り値 F9.0
露出モード A-絞り優先オート
ISO感度 100
焦点距離 43.6mm
焦点距離
(35mm換算)
43mm
ホワイトバランス オート
カラーモード ティールアンドオレンジ

併設されている三沢市大空ひろばには10機もの航空機が展示されている。そのうち数機では搭乗体験や機内見学が可能だ。ここからは三沢空港も一望でき、訓練で発着する戦闘機などの姿を確認できる。ここでようやく数名の他の人たちと出会った。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp
レンズ SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F8.0
露出モード A-絞り優先オート
ISO感度 100
焦点距離 24mm
ホワイトバランス オート
カラーモード ティールアンドオレンジ

太平洋岸に前述のミス・ビードル号があると聞いて立ち寄った。もちろんレプリカだがその紅い機体が美しい。三沢航空科学館内にもこのベランカスカイロケットが展示されているが、太平洋横断に飛び立った現地で見るとなかなか感慨深い。
再び自由に太平洋を飛行機で行き来できるのはいつになるのだろうか、と思いながら今回のブラブラを終了することにした。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art

尻屋埼灯台