第194回
ズームレンズ2本持って
多摩川ブラブラ
February 10, 2021
緊急事態宣言が延長された。なので引き続きあまり遠出せずに近所をブラブラと徘徊している。自宅周辺の道はほぼ歩き尽くし、ときおり遠征していることは前回お知らせしたとおりだ。今は近くを流れる多摩川の河川敷奥地にまでブラブラの範囲を広げ、土手を下りて藪をかき分け、およそ酔狂な釣り人しか来ないであろうエリアにまで進出する有様である。東京のはずれに位置する世田谷区最深部はなかなか面白い。さまざまな生き物を発見したり、思わぬ光景が楽しめるからだ。
さてマンネリ化しそうな日常の撮影に変化をつけるにはどうしたらいいだろうか。それは新しい撮影場所に赴くか、機材を変えることである。このところレンズは新製品の「SIGMA Iシリーズ」をずっと使っていたが、久しぶりにズームレンズ2本を持ち出した。撮影場所を変えずにプライムレンズからズームレンズへとスイッチしたわけだ。
爆発的な人気を誇る「SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art」と「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」を今回はチョイス。この組み合わせがすこぶるよい。明るく高性能な標準ズームレンズと軽量コンパクトな超望遠ズームレンズなので撮影が楽チンである。カメラは当然ながら「SIGMA fp」だ。そう言えばそろそろオンラインで「CP+ 2021」が開催される。撮影の変化をつけてくれるシグマからの新製品に期待して欲しい。
日本の大動脈・東名高速道路の下を多摩川に向かって歩く。クルマで本線上を走行していると想像もできない景色が見られる。足元は経年変化のため思いのほか古く感じた。現在付近は中央道と関越道をこの高速と繋ぐ「東京外かく環状道路」工事の真っ最中だ。この近くからシールドマシン「みどりんぐ」と「がるるん」が掘進作業をしていたが、調布市で起きた地表面陥没のため地下でストップしている。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
土手を登り警視庁の白バイ訓練所を越え護岸を下りると多摩川に出た。東名高速道路の橋脚はカラフルな落書きが施されていた。こういうところに思わぬ大物のコイがのんびりと休んでいたりする。この時もこちらの姿を水中から確認したコイがのっそりとめんどくさそうに泳ぎ去って行った。頭上からは本線を走るクルマが道路の継ぎ目を越える音が断続的に響いてくる。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
川沿いを上流方面に進む。カワセミやセキレイがちょこまかと飛び交う。消波ブロックの上で流れ行く川面を眺めているとサギがやってきた。優雅に舞ってエサとなる魚を探しているようだ。その様子を「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」で狙う。テレコンバーターを持ってくればよかったと思った。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
今度は流木にカメが登場した。外来種だろうか。鮮やかな模様と力強い頭が猛々しい。多摩川は別名・タマゾン川と呼ばれている。アマゾン川のように暖かい場所に生息する魚類が豊富だからだ。「飼えなくなったから」とかゲームフィッシングのために魚などが違法放流された結果である。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
川面から護岸を上がる。鉄塔の向こうには夏のような雲が沸き立っていた。「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」の描写は素晴らしいと思う。鉄塔のリベットや表面のディテール再現が実に見事。気軽に手持ちでこの結果が得られるのが快感だ。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
土手には旧車や軍用車両が鎮座していた。映画やテレビの撮影で使う「劇車」がズラリ。ここは有名なプロダクションが撮影車両置き場として使っているのだ。ブラブラと近所を訪れるたびに「今日はどんなクルマがあるかな?」と覗くのを楽しみにしている。朽ちかけたトレーラーの表面がまさに「Foveon物件」である。草が生えているのが微笑ましい。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
再び川面に出た。「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」で対岸の神奈川県のサイクリングロードを狙う。「SIGMA fp」につけた「LVF-11」内で像がピタリと静止する。ロックオンしてまるで吸着してしまったかのようにブレない。このレンズの超望遠域での撮影しやすさは本当に快適だ。スリムで軽いので常用できるところもいい。さすが「ライトバズーカ」である。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
東名高速道路下から流れに沿って下流の二子玉川方面に歩く。こぶし大の石ころを踏みつけながら進んでいくと、おととしの台風で破壊された護岸の補修工事に出くわした。その向こうには二子玉川駅界隈のビルが建ち並ぶ。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
日が傾いてきたがさほど寒さを感じなかった。いよいよ春が近い。気温が上がって新型コロナウィルスがどんどんと減ってくれることを願いたい。そして遠方へもブラブラ撮影に行けるようになってほしいものだ。