第196回
SIGMA fp L 持って
熱海ブラブラ
March 26, 2021
シグマの新型フルサイズミラーレス一眼カメラ「SIGMA fp L」をバックパックに入れて東海道線に乗る。車窓から広々とした相模灘が見え始めるとそろそろ熱海に到着である。卒業旅行だろうか、若者グループが大勢駅前で待ち合わせをしていた。新型コロナウィルスを警戒しつつ春のひとときを楽しんで欲しいものだ。
さてこちらは未発表のカメラを持っているので、その人混みを避けて「SIGMA fp L」を肩から提げて歩いて行く。「EVF-11」を装着しているので、カメラに詳しい人が見たら一目瞭然だからだ。デジカメを持っている人とすれ違うときは、身体を斜めにしてアヤシい体勢でやり過ごした(笑)
しかしこのカメラは本当にスゴい。61メガピクセルという高解像度を、掌に収まる世界最小最軽量のボディでキャプチャーできるからだ。使用感は「SIGMA fp」と変わらない。むしろ像面位相差オートフォーカスや、ダイヤルとボタンがブラッシュアップされて使いやすいほど。もちろん9.5Kという巨大なデータを記録するので、僅かに書き込み時間とバッテリーを必要とするが、使用体験としては大きく変わらない。これには本当に驚いた。
装着していた「EVF-11」は「SIGMA fp L」とともに登場した電子式ビューファインダーである。シグマには「LVF-11」という見やすい光学ビューファインダーも存在するが、サイズが大きくてバッグへの収納性がやや悪かった。しかしこれならすんなりと仕舞うことが可能だ。またドット数も多くて見えも良好なので、撮影のマストアイテムになることだろう。接眼部を顔に密着させることによっての手ブレ軽減効果や、ローアングル撮影のしやすさも見逃せない。
「SIGMA fp L」の描写は正に圧巻。緻密なピクセルから生み出されるディテールは息を呑むほどである。FFF(フルフレーム Foveon)機の登場がかなり先になった現在、この写りを提供してくれたシグマに感謝!「SIGMA fp」と「SIGMA fp L」の2台体制でこれからはブラブラ撮影を楽しみたいと思っている。
熱海駅前の平和通り名店街。新型コロナウィルスの影響で以前訪れた時は人出がなかったが、今回は観光客もやや戻ってきた印象だ。人々はマスクをしての観光、お店は各種対策をしての営業である。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
熱海と言えば日本を代表する観光地だ。一時期は落ち込みが激しかったが、ここ最近は人気が再燃し賑わいが戻ってきたところに新型コロナウィルス、という打撃を受けた。目抜き通りでも営業していない店が目立った。このトキワホールは2006年に閉店したパチンコ店。そのディテールを「SIGMA fp L」は確実に写しとってくれた。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
「SIGMA fp L」はコントラスト検出方式に加え、像面位相差オートフォーカスも採用している。なのでピント合わせも高速かつ正確だ。熱海の急斜面にある階段を上るご婦人を「SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary」で捉えたが、しっかりと合焦してくれた。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
「SIGMA fp L」に「EVF-11」は必須だ。フレーミングを正確にのぞいて行えるのと同時に、接眼部を顔に密着させることにより手ブレも防げるからだ。収納性も高いので持ち歩く際もフットワークがよくなることうけあいだ。ファインダーをのぞき駐車されたバイクのエンブレム付近にフォーカスして「SIGMA fp L」のシャッターを切った。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
「SIGMA fp L」には新しいカラーモードがふたつ搭載されている。この「パウダーブルー」は爽やかな清涼感をイメージさせる色合いだ。ちょっとネガカラー調の発色が気に入った。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
「EVF-11」を装着した「SIGMA fp L」は実に扱いやすい。首から提げてもレンズが前方を向いたままだからである。「LVF-11」だとそうはいかない。また軽量コンパクトなシステムはブラブラと長時間撮り歩いても疲れを感じさせない。こんな路地をいくつも渡り歩いて数多くのシャッターを切ることができた。ちょっと装着の仕方に強引なところもあるがそこがシグマらしい(笑)
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
「SIGMA fp L」の解像感は魔力がある。「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」をつけて、ハーバーに停泊する手前の船にピントを合わせてシャッターを切ったが、9520 x 6328 ピクセルという緻密なドットで構成された絵に深みを感じた。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
新機能の「クロップズーム」も面白い。「SIGMA fp L」の高画素を活かしたものだが、撮影時に簡単にクロップ撮影ができるのだ。1倍から5倍までシームレスにシーンを切り取ることが可能だ(設定によってはステップ的になる)。スチル撮影時にもシネ撮影時にも役立ちそうだ。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
遊覧船を「SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary」で狙う。あいにく気温が上がり空気が揺らいでしまったが、デッキ上で写真を撮る観光客とカモメの乱舞をイメージどおりに捉えることができた。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
もうひとつの新カラーモード「デュオトーン」がなかなかだ。ちょっと派手目な色調になるので使うのに困るが(笑)、用途によってはひょっとしたら役立つかもしれない。RAWで撮影して最新バージョンの「SIGMA Photo Pro」で現像すれば、あとからさまざまな変更を加えられる。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
ひとあし先に「SIGMA fp L」を楽しんでいるが、「SIGMA fp」と変わらない感覚で、この超高解像を得られるのに感激しているところだ。「ダイレクトフォーカスフレーム移動」も可能になったり、SHOOTやSYSTEMの設定をQRコード化し、ユーザー間で共有できるようになったりするなど進化点も多く、スチルには「SIGMA fp L」、シネには「SIGMA fp」という感じで使い分けるのもいいかもしれない。緊急事態宣言も解除されたので、この2台を持ってどこかブラブラと撮影に行きたいものである。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
使用機材
-
-
-
-
-
-
-
-
ELECTRONIC VIEWFINDER EVF-11
SIGMA fpシリーズ専用の外付け電子ビューファインダーです。0.5型、約368万ドットの有機ELパネルを使用した高解像・高輝度なファインダーが撮影への没入感を高め、より一層撮影を楽しめます。チルト機構、外部接続機器との拡張性、機能的なユーザーインターフェースなど、撮影時の利便性と快適性を細部まで考慮しています。
※ HU-11と同時装着はできません。