第237回
35mmを1本持って川沿いブラブラ
November 17, 2022
行くあてもなく下りの小田急線に乗った。優しく暖かな秋の日射しを浴びて電車は走る。眠気をおぼえながら揺られていると、車窓から「豚丼」の文字を発見。「そういえば小腹が減ったな」と降り立ったのは本厚木駅であった。そそくさと改札を出てその店に向かう。美味しい豚丼を食べ、近くのバスターミナルから再び行くあてもなく神奈中バスに乗った。小一時間バスに揺られていると川が見えてきた。中津川である。山々も美しい。そろそろ下車する頃合いのようだ。バックパックには「SIGMA fp L」と「SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary」が入っている。身軽なので今日はどこまでも歩けそうだ、と思いつつバスを降りると目の前には酒屋が建っていた。
酒屋には「どぶろく」、「にごり酒」、「ひやおろし」などと魅惑的な手書きポスターが貼られていた。画鋲で壁に留められている風情もいい。しかも達筆である。「本当に美味しい」などと書かれていては店に入らざるを得ない。仕方なくひさしをくぐって外に出てきたら、バックパックのカメラとレンズが収まっていたところに四合瓶が鎮座していた。しぼりたて無濾過生原酒の新酒なので仕方ない。不可抗力である。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
バックパックの中で行き場をなくした「SIGMA fp L」と「SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary」を肩に中津川沿いを歩き始める。中津川に架かる美しい登録有形文化財の平山橋を撮る。トラス構造の橋はカッコいいね。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
ブラブラと歩を進める。天気が良くて気持ちいい。まさに秋晴れである。何気ない景色もキレイに見えてくる。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
中津川沿いはキャンプ場が多い。いたるところでテントを張っている人々を見かけた。今や丹沢を歩く登山者よりキャンプを楽しむ人の方が多いようだ。週末にもなるとこの界隈に住む人たちの何倍ものキャンパーが訪れるらしい。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
ズンズンと川沿いを下る。端から見れば何もない場所をカメラを持ったオッサンが歩いているにすぎない。やはりアヤシいのであろうか。ときおりすれ違うイヌと散歩中の人に怪訝そうな視線を向けられる。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
川の流れ込みを越え、わずかな踏み跡の急登をすぎると小さな集落に出た。小さな神社と炭焼き小屋と民家が建ち並んでいた。見事な紅葉とたわわに実った柿の実が美しかった。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
「中津往還」を進む。美しい街並みと水路がつづく。この下谷地区は「しょうぶの里」といい、5月下旬から6月上旬にかけてハナショウブが咲き誇るらしい。提灯によるライトアップも行われているそうで、来年のシーズンにはぜひシグマのカメラを持って訪れたいと思った。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
界隈は大きな屋敷が多い。きっと昔は茅葺き屋根だったのだろう。そんなことを思いながらいにしえの街道を歩いた。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
河岸段丘を登るとコスプレ撮影で有名な古民家に辿りついた。挨拶をして内部を撮影させてもらう。広い敷地と築130年の屋敷は見応え抜群であった。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
ちょうど菊花展が行われており見事な菊の花も拝見する。「SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary」の絞り開放でのボケ味は実にスムーズでいい雰囲気である。
【使用機材】 SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
古民家を出ると日が傾きはじめていた。バックパックの中に鎮座している日本酒も心配なので、ちょっと早いが引き上げることにしよう。
行くあてもなく辿りついた場所だったが、シグマのカメラとレンズがあればブラブラと楽しく撮り歩くことができた。準備万端の撮影行もいいが、気の向くままのんびりと初冬の休日を過ごすのも悪くなかった。晴れた日はちょっとした時間にカメラを肩から提げてフォトウォークを楽しみたいものである。