2014.01.07

レンズ

SIGMA 50mm F1.4 DG HSM 発表

株式会社シグマ(代表取締役社長:山木和人)は、Artラインの新しい大口径標準レンズSIGMA 50mm F1.4 DG HSMを発表致します。

シグマは、2008年にデジタル用大口径標準レンズとして50mm F1.4 EX DG HSMを開発しました。当時、フィルム時代に開発をした製品が多い中、デジタル一眼レフカメラの特性に考慮し、開放でも周辺減光を抑えたり、画面周辺部の点像が崩れないようにしたりと、ピントが合っているところ以外の描写にも気を配り開発を行い、50mmの新しい基準を作り上げることに成功しました。
近年のデジタルカメラの進化により、センサーの高画素化が進みレンズの性能に対する要求も高まってまいりました。シグマは2012年にその高度な要求を満たす圧倒的な描写性能を誇るArtラインシリーズの発売を開始、その一本目にあたる35mm F1.4 DG HSM [A 012]は、高性能化を徹底追求して開発を行い、国内外の賞を受賞するなど各方面から高い評価を頂きました。今回、50mm F1.4 EX DG HSMで培ったノウハウと、Artラインシリーズの開発ノウハウを活かし、超高画素時代にふさわしい最高性能の大口径標準レンズが誕生いたしました。

              発売日、価格未定
              対応マウント:シグマ用、キヤノン用、ソニー用、ニコン用
              付属品:ケース、花形フード(LH830-02)
              ● 製品の外観、仕様などは変更することがあります。

【主な特徴】
1. 高水準の芸術的表現を叶えるArtライン
シグマの交換レンズは、それぞれ明確なコンセプトを持ったContemporary、Art、Sportsの3つのプロダクトラインに分類されます。その中でArtラインは、あらゆる設計要素を最高の光学性能と豊かな表現力に集中して開発、高水準の芸術的表現を叶えます。高度な要求水準を満たす圧倒的な描写性能で、風景、ポートレート、静物、接写、スナップをはじめ、作家性を活かした写真づくりに適しています。作品世界をつくり込むスタジオ撮影や、建築、天体などあらゆるジャンルでの表現にも応えます。

2. 圧倒的な描写性能を実現
これまでの開発で蓄積したノウハウと最新の設計技術を駆使し、収差を徹底的に補正。画面周辺部に至るまで、解像度の高い圧倒的な描写性能を実現しています。

高解像度とボケ味を両立
ピントの合ったところの解像度を追求しながら、その前後のボケについては柔らかい描写を保つように配慮しました。高い解像度を実現するためにサジタルコマフレアや色収差等、画質に影響する収差を徹底的に補正。絞り開放からにじみのない高精細な描写を実現しています。また、口径食をできる限り少なくしながら、フォーカス前後の色のにじみを徹底的に抑え、自然なボケ味も追求しています。

サジタルコマフレアを良好に補正
大口径標準レンズでは、開放から画面全域で高い描写性能を発揮するのが理想です。例えば点光源の像が一点に集まらず、尾を引いたような形になるサジタルコマフレアには、後群にグラスモールド非球面レンズを配置し、徹底的に補正。画面周辺部の点光源のにじみも少なく、天体やイルミネーションの撮影に威力を発揮します。また、ポートレートや室内での撮影など、美しいボケを活かした表現にも威力を発揮します。

軸上色収差を補正
画像の処理でも補正が困難な軸上色収差を補正するため、SLD(Special Low Dispersion:特殊低分散)ガラスを採用、すべての撮影域で高画質を実現。シャープでコントラストの高い描写が得られます。

ディストーションを徹底的に補正
まっすぐな線が歪んでしまうディストーションはレンズを絞り込んでも改善されないため、レンズの設計段階から補正が必要です。50mm F1.4 DG HSMは、各レンズが前後で対称なパワー配置を取るよう設計を行い、画面の周辺に至るまでディストーションを徹底的に補正しました。

豊富な周辺光量
大口径レンズで低下しやすい周辺光量も十分に確保しました。前群レンズを大口径化し、開口効率を向上。画面周辺の減光を最小限に抑え、全画面域で均一な描写が得られます。青空など、開放付近での撮影でも光量不足を気にする事なく、開放のボケを楽しむ事ができます。

フレア・ゴーストに配慮した設計
レンズ設計の初期段階からフレア、ゴースト対策を徹底し、逆光のような強い入射光に対しても影響を受けにくい設計を行っています。さらにスーパーマルチレイヤーコートを採用する事で、フレア、ゴーストの発生を低減、逆光時の撮影においてもコントラストの高い描写を実現しています。

最短撮影距離40cmを実現
光学系内部のいくつかのレンズ群を、それぞれ異なる繰り出し量でフォーカシングするフローティングシステムの採用により、最短撮影距離40cm、最大倍率1:5.6を実現。撮影距離による収差変動を抑え、全撮影距離で高い描写性能を発揮します。

3. HSMによる高速オートフォーカスの実現
HSM(Hyper Sonic Motor)搭載により、AFスピードの高速化と静粛性を実現しました。最新のAFアルゴリズムを採用し、スムーズなAFを実現しました。AFでピントを合わせた後、フォーカスリングを回すだけで、ピントの微調整ができるフルタイムマニュアルも可能です。

4. 新レンズライン専用「USB DOCK」を新開発
別売りのSIGMA USB DOCKを使用することで、レンズファームウェアのアップデートや、合焦位置の調整を行うことができます。パソコンに接続したSIGMA USB DOCKにレンズを装着し、専用ソフトウェア「SIGMA Optimization Pro」を使用する事で、アップデートや調整が可能です。

【その他特徴】
円形絞り採用
9枚羽根の円形絞りの採用により、開放付近で円形のボケを楽しむことができます。

デザインコンセプト
新しいレンズラインでは、付属フードの接続部にラバーを採用。レンズキャップ、AF/MF切り替えスイッチも一新する等、使用感にこだわりました。内部のパーツには金属や、金属部品と親和性の高い新複合材TSC(Thermally Stable Composite)など適切に配置し、精度の高い製品を実現しました。レンズ鏡筒には発売された年を刻印し、発売年の判別が可能です。

真鍮製バヨネット・マウント
高い精度と堅牢性を兼ね備えた真鍮マウントを採用。長期使用に耐えうるよう、表面処理を施して強度を高め、高品質なレンズづくりを実現しました。

シグマ独自のMTF測定器「A1」で全数検査
従来までは、一般的なセンサーを使ったMTF測定器を用いてレンズの性能を測定してきましたが、新たに、4,600万画素FOVEONダイレクトイメージセンサーを用いたMTF測定器「A1」を独自に開発。これまで検出できなかった高周波成分の検査までも可能になりました。SIGMA 50mm F1.4 DG HSMはこの「A1」で全数検査を受けてから出荷されます。
※ A1:Aizu1

「Made in Japan」のクラフツマンシップ
一部の加工を除き、部品や金型までもすべて日本国内で一貫生産しているシグマは、いまでは少なくなった、生粋の「日本製」を謳うことができるメーカーのひとつです。清廉な空気と水に恵まれた風土、粘り強く実直な人々の気質。そして最新のノウハウと、精巧で高度な技術の融合によって生み出される確かな品質。世界中の写真愛好家を満足させていた高度なものづくりを支えているのは、職人としての情熱と誇りに裏打ちされた、正真正銘のクラフツマンシップです。

「マウント交換サービス」に対応
シグマは、多種多様な交換レンズをつくり続けてきたノウハウとリソースを活かして、新コンセプトラインのマウント部および内部システムの一部をご希望のマウントに仕様変更できる「マウント交換サービス」を開始致しました。これにより撮影者が、将来、新たなカメラボディをお求めになる場合にも、それに合わせてお気に入りのレンズを「お直し」することができ、現状のカメラシステムの制約を受けることなく末永くお使いいいただけるようになります。
※ 「マウント交換サービス」(有償)は、通常の修理・サポートとは異なりますので、販売店などでの受付はできません。
※ 弊社窓口での一括対応になりますことをご了承ください。

【主な仕様】
レンズ構成:8群13枚       最小絞り:F16        フィルターサイズ:φ77㎜
画角:46.8°           最短撮影距離:40cm     最大径×全長:φ85.4㎜×99.9㎜
絞り羽根枚数:9枚(円形絞り)  最大倍率:1:5.6       重さ:未定
数値はシグマ用です