

105mm F2.8 DG DN MACRO | Art Impression
実写ギャラリー & 解説
105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは単体で等倍のマクロ撮影が可能な中望遠マクロレンズです。ミラーレスカメラにおけるショートフランジバックの利点を最大限に活かした新しい設計により、クラス最高の描写性能を実現しました。フォーカシング時もレンズの全長が変化しないため、マクロ撮影で重要になる等倍撮影時のワーキングディスタンスは141mmを確保。同時に、超音波モーターを採用した快適なオートフォーカスと防塵防滴に配慮した設計は、どんな状況でも快適な撮影を約束します。マウントはLマウントとソニー Eマウントをご用意。ここでは実際に撮影した作例をもとに、このレンズについて詳しく紹介します。
マクロレンズは小さな被写体を大きく写すためのレンズ。被写体の細かなディテールを正確に伝えるためには、高い描写性能が求められます。105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは、アウトフォーカス部の色にじみや解像感低下の原因ともなる色収差を徹底的に抑制し、絞り開放から卓越した解像感と濁りのない美しいボケを実現しました。際立ったシャープネス、正確な発色、パースペクティブがつきにくい画角によって、被写体のディテールや質感を伝えるだけではなく、そのものの鮮度や息吹、使い込んだ歴史までも再現します。また前後とも柔らかいボケは、被写体のメインとなる部分だけを浮き立たせ、肉眼とは異なる新しい世界を見せてくれるでしょう。使いやすさの面でも、等倍時で141mmのワーキングディスタンスは撮影の自由度を高め、最初のマクロレンズとしてもおすすめです。
マクロレンズと言っても、被写体に近寄って撮るだけではありません。105mm F2.8 DG DN MACRO | Artの高い描写性能は、遠景・中距離撮影においても息を呑むような高精細な写りを提供します。絞り開放から画面の隅々まで行き渡る解像感と優れたコントラストは、単焦点レンズならでは。超音波モーターによる快適なオートフォーカスと防塵防滴に配慮した設計は、風景やスナップなど、あらゆる場面で真価を発揮します。
解説

- SLDガラス
105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
(L-Mount / Sony E-mount)

- SLDガラス
MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM
(SIGMA SA mount / NIKON F mount / CANON EF mount)
105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは、ショートフランジバックの特性を活かしたミラーレスカメラ用の新設計。一眼レフカメラ用のMACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMとは、焦点距離と開放F値こそ同じものの、ご覧の通りまったく異なるレンズ構成です。軸上色収差など光学的にしか補正し得ない収差を徹底的に補正し、周辺光量の低下や歪曲収差などはカメラ内補正で対応することにより、クラス最高の描写性能を実現しました。以下、本レンズついて詳しく解説します。
解像力





※ 赤枠部分を拡大。いずれも絞り開放(F2.8)、最短撮影距離で撮影。
MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSMとの比較です。いずれのレンズも良好な解像感が得られますが、並べてみるとその差は歴然。本レンズは色収差を徹底的に補正したことにより高い解像感を獲得しました。アウトフォーカス部の色にじみもほぼ認識できないレベルで、抜けの良い描写を実現しています。
周辺画質




※ 赤枠部分を拡大。いずれもF2.8で撮影。
MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM、および105mm F1.4 DG HSM | Artとの比較です。マクロレンズはその性格上、近距離性能に重きをおいた設計をされることがありますが、本レンズはすべての撮影領域で、絞り開放でも画面の隅々まで高い描写性能を発揮します。105mm F1.4 DG HSMとの比較でも、ほぼ同等の高精細な画質が得られています。
色収差




※ 赤枠部分を拡大。いずれもF2.8で撮影。
MACRO 105mm F2.8 EX DG OS HSM、および105mm F1.4 DG HSM | Artとの中間距離での比較です。色収差が大変出やすいシチュエーションですが、本レンズは色収差を徹底的に補正したことにより、絞り開放からほとんど色のにじみが見られず、それが良好な解像感にもつながっています。
撮影倍率とは?
マクロレンズでよく使われる「撮影倍率」という言葉。105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは等倍での撮影が可能ですが、この「等倍」とはどういう意味でしょうか。ここに、撮像センサーと同じサイズの枠(36×24mm)が描いてあります。写真左はEマウント用標準ズームの最大撮影倍率(テレ側の最短撮影距離)で撮影したもの。36mm枠よりずっと広い範囲が写っています。写真右は本レンズの最大撮影倍率(最短撮影距離)で撮影したもの。描かれた枠がちょうど画面いっぱいに写っています。このように撮像センサー上に、被写体が実物大(1倍)に写ることを「等倍」と言います。被写体に寄れるレンズは多くありますが、単にどこまで寄れるかだけではなく、「どのぐらいの大きさで写せるか」がマクロレンズでは重要になってきます。


ワーキングディスタンスとは?
撮像センサー面から被写体までの距離のことを最短撮影距離と言います。それに対してワーキングディスタンスとは、レンズ先端部から被写体までの距離のこと。ワーキングディスタンスが短いと被写体を照明することが困難になります。また被写体が生き物の場合など、ワーキングディスタンスが長いほど撮影しやすくなるため、重要な指標になっています。
※ 写真の赤枠内のマークが撮像センサー面です。

ワーキングディスタンス / 最短撮影距離比較表
ワーキングディスタンス | 最短撮影距離 | ||
フードあり | フードなし | ||
105mm F2.8 DG DN MACRO | Art | 84mm | 141mm | 295mm |
70mm F2.8 DG MACRO | Art | 55.8mm | 59mm | 258mm |
最短距離での撮影時、105mm F2.8 DG DN MACRO | Artのワーキングディスタンスは141mm(フード装着時84mm)。70mm F2.8 DG MACRO | Artのそれは59mm(フード装着時55.8mm)です。本レンズは70mmマクロより最大で82mmもワーキングディスタンスを稼げることになります。
テレコンバーターとの組み合わせ



順番にTC-2011(2.0倍)使用 / TC-1411(1.4倍)使用 / テレコンバーターなしで、それぞれ最短撮影距離で撮影したもの。テレコンバーターを組み合わせて使うことにより、マクロレンズの世界がさらに広がります。
※ TC-1411、TC-2011はいずれもLマウント用のみ。
※ SIGMA fpでのマニュアルフォーカスには、LVF-11をご使用いただくと、液晶モニタを2.5倍に拡大できる為、より正確なピント合わせが可能です。

絞りリング、絞りリングロックスイッチを搭載。様々な撮影スタイルに対応します。絞りリングロックスイッチは「Aの位置で固定」「A以外のポジションを自由選択」を切り替えることが可能です。


使用頻度の高いフォーカスモード切換えスイッチは、大型のものを採用。AFとMFの切り替えが指一本で確実に行えます。AFL(AFロック)ボタンはフォーカスホールドの他にも任意の機能を割り当てることが可能※。素早いピント合わせが可能なフォーカスリミッターも搭載しています。超音波モーター採用による快適なオートフォーカスに加え、回転角が大きいピントリングは、撮影者の意のままの精密なフォーカシングを可能にします。
※ 対応しているカメラに限ります。また、カメラによって割り当てられる機能が変わります。

卓越した描写力を誇る、新生ミラーレス専用中望遠マクロ
小さなものを大きく拡大して写し取り、いままで見られなかった、あるいは気にも留めていなかったものをつぶさに観察できるようにするのがマクロレンズです。「神は細部に宿る」の格言通り、正確なディテール表現や質感描写は常に新たな発見をもたらします。妥協のない描写を追求して生まれた105mm F2.8 DG DN MACRO | Artは、解像感、ボケ味、発色のいずれもが卓越した性能を持ち、クラス史上最高の画質を実現しました。さらにマクロ撮影だけではなく、通常の中望遠レンズとして使った場合でも、極めて高い性能と使いやすさを発揮するのが大きな特長です。105mm F2.8 DG DN MACRO | Artはあらゆる場面で、撮影者に「新たな発見」をもたらす最高の道具として、長くお役に立てるでしょう。