インプレッション
CAPTURED WITH FP2
FRAMES OF WATER
by Borja Llorens
スペイン・アリカンテの海岸でボルハ・ジョレンスが撮影した映像
スペイン人撮影監督ボルハ・ジョレンスがアリカンテの海岸に戻ってきた。カヤック、洞窟探検、そしてナイトダイビングを通じて、自分と水の関係性の視覚的な探究に取り組むためだ。
「私はシンプルでミニマルなイメージが好きです。すべてが流れるようで、わかりやすく、美しく、そして質感を感じられるものでなければなりません。何かちょっと違和感を感じられるようなものが映っていたとしても、それも良いのです」
ボルハ・ジョレンスの映像のスタイルには理由がある。スペインの地中海沿岸の町ハベアとモライラで、断崖や洞窟、そして海に囲まれて育ったジョレンスにとって、小さい頃から自然は近しい存在だった。暇さえあれば、クライミングやダイビング、そしてハイキングを楽しんでいた。
「アートや映画を専門的に学んだことはありません。私の美意識は、地中海を楽しむこと、身の回りの環境を楽しむこと、そしてその美しさを捉えて表現したいという思いから来ていると思います」
スポーツブランドのための広告映像でも、『Pools』や『Cliffs』といった短編映像作品でも、ジョレンスのほぼすべての作品に通底しているのは、水、岩、空、そして太陽の存在感に、人間の身体の動きを組み合わせたイメージだ。
ここで紹介しているスチル写真と映像作品は、2026年6月にアリカンテ県のハベアとモライラで撮影された。
ジョレンスのスタイルには無駄がなく、身体的で、ザラザラした質感があり、そして視覚的な必然性をまとっている。フレームの中にあるのは、そこにあるべきものだけだ。彼は時間を操作する。テンポをスローにしたり、また通常に戻したりといったコントロールを巧みに行う。それはまるで何かの儀式のようでさえある。
雑誌『Village Voice』の伝説的な映画評論家、J・ホバーマンはかつて、映画監督クレール・ドゥニの『美しき仕事』の映像原理を「キネステティック・イマージョン(身体感覚的没入感)」と表現した。催眠的で、心を直感的に捉えるジョレンスのイメージも、それと同じような感覚を引き起こす。アディダスやプーマ、そしてエルメスの広告映像にも、映画監督ベルトラン・ゴンサレスとのコラボレーションによって制作された自作の短編映像にも、それはよく表れている。
ジョレンスの映像的感性には、生まれ育った場所の自然環境の美しさが反映されているだけでなく、言語としてのイメージへの強いこだわりにも支えられている。
「そうした一体感がある映画が私は好きなんです。一貫性が強ければ強いほど、言語的概念をうまく創出することができます。なぜなら、それは道具の数が限られるということで、すなわちより具体的な表現が必要になるということを意味するからです」
具体性と簡潔さはジョレンスの仕事に欠かせない要素である。それを実現するには、思考力と、何かを視覚的に明確に表現するための方法を常に模索することが必要になる。
「作品によって、求められるものは異なります。それぞれ異なる問いに答えなければなりませんが、プロジェクトをしっかり理解できていれば、その問いに答えるのは簡単です」
ジョレンスのこだわりにはある種の緻密さが感じられるが、それはさほど驚くべきことでもないだろう。というのも、彼はエンジニア一家に生まれ育ったからだ。ジョレンス自身もはじめは技術者を志し、工学を学んだ。しかし、やがて映像表現の世界に惹きつけられ、映像業界へと足を踏み入れることになる。ジョレンスはバルセロナの映画学校で映像音響通信を学び、シネマトグラフィー(映像撮影)の修士号を取得した。
「バルセロナに移り住んでからは、アートの世界をもっと深く知りたいと思うようになりました。なぜなら、自分がそれまで学んできたことは技術的な要素に偏っていたからです。映画好きの友人ができて、新たな人間関係が広がり、芸術的な基盤が形成されていきました。それが私にとってものすごく大きな助けになったのです」
工学的な専門知識と芸術的な感性を兼ね備えたジョレンスは、撮影監督としては理想的な立ち位置にいると言えるだろう。「映像の撮影は、何らかの問題解決の側面が必ずあります」と彼は言う。「しかし同時に、アーティストとしての側面も必要になります。ショットを付け加えたり、削ぎ落としたり、発想を転換したり、すでにそこにあるものに新たな要素を付け加えたり、といったことが求められるのです」
ジョレンスにとって最も重要なのは、自分が好きなことに取り組めているという感覚だ。10代の頃、兄弟やいとこ、そして自分自身を被写体として、ダイビングやクライミングの場面を撮影したのが彼の原点だ。ただ楽しいから、というのがその理由だった。動きや自然、そして映像表現手法の多彩さに対するその若い情熱は、まだジョレンスの中に残っている。それどころか、それはますます強く彼を捉えるようになっている。そして、彼は至る所にその情熱を見出している。
「トップクラスの映像作家の中には、まるで子供みたいな人たちもいます。子供のような喜びやモチベーションは、常に持ち続けていなければなりません。心の中にそれを感じながら、楽しむこと、すべてを捧げることが必要なのです」
映像制作の世界に深く没頭しているジョレンスにとって、インスピレーションは、ほとんどの場合、わざわざ探し求めなければならないものではない。必要になれば、すぐに近くに見つかるものだからだ。
「例えば、昨日は夏の嵐が過ぎ去った後の海でパドリングをしていたのですが、夕暮れ時の太陽は驚くほどの美しさでした。温かみのある、強烈な色彩。そんなシンプルなものを目にすることが、私にインスピレーションを与えてくれるのです」
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