第245回
デスバレー国立公園西端に位置するダーウィンの滝 / Darwin Falls located on the western edge of Death Valley National Park
March 04, 2020
ひんやりとした砂漠地帯の朝、広大なデスバレー国立公園の西端にあるダーウィンの滝を目指し、乾燥した砂地の渓谷を男女が歩く。この光景からはイメージし難いオアシスがこの先に待っていた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
昨年の11月、寂れた小さな集落ダーウィンを訪問した。その際、昔はデスバレーに入るためにダーウィンを経由し、東のダーウィン・ウォッシュまで山を越え、そこからデスバレーのストーブパイプウェルズまで至ったことを知った。同時にダーウィン・ウォッシュの先に滝があることも知り、2月の中旬、その滝を目指した。
ロサンゼルスの北250km辺り地点、ハイウェイ395号線で日の出を迎えた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
赤い小山が朝日を浴びて更に赤く見える。
地形も地面の色も変化に富み、強いエネルギーを感じる土地だ。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
ハイウェイ395号線からデスバレーへ続く州道190号線に入り、路肩に車を停め西の方角を見る。
後方に聳える山々は奥深いシェラネバダ山脈の南端。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
広大なパナミントバレー、その先にはパナミント山脈が聳える雄大な風景が見えてきた。長野県とほぼ同じ大きさ(総面積13,158平方キロメートル)のデスバレー国立公園において、ほんの一部分の風景だ。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | Art, SIGMA MOUNT CONVERTER MC-21
山脈からパナミントバレーに降りる少し前、州道190号線からダート道のOld Toll Rdに入った。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
ダーウィンの滝までのトレイルヘッドであるパーキング場までは約4kmだったが、でこぼこのダート道を歩くようなスピードで車を走らせた。到着したパーキング場はただの広場だったが、目指す滝の写真が掲示されている案内板があり、安心してカメラリュックを背負い、乾燥した渓谷を歩き出す。クリークまでは平坦な歩きだったが、一旦クリークに到達すると、滝までは滑りやすいクリーク越えや急な岩場の登りがあった。カメラ機材を持った私にとって2km程の歩きは楽ではなかったが、ダーウィンの滝は期待以上に立派で、滝に到達すると休む時間も取らず撮影を開始した。
大雨が降れば水が流れ出て来そうな谷だった。
【使用機材】 SIGMA sd Quattro H, SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
辺りは深成岩に囲まれていると資料にあるが、この岩の壁もマグマがゆっくりと冷えて固まったものだろう。立ち止まって岩を見つめ、長い地球の歴史に想いを馳せた。
【使用機材】 SIGMA sd Quattro H, SIGMA 18-35mm F1.8 DC HSM | Art
乾燥した冬の渓谷、緑色の葉を付けた木に朝日が差し込む光景に感謝する。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 105mm F1.4 DG HSM | Art, SIGMA MOUNT CONVERTER MC-21
ここまで来ると水の流れる音が微かに聞こえてきた。
【使用機材】 【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
期待感を持って小さなクリークを渡る。
【使用機材】 【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
これも滝と言っていいのなら下段の滝になるだろう。ここからトレイルは険しくなった。
拡張感度ISO 8まで下げスローシャッターで撮影。
【使用機材】 【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
砂漠地帯のクリークとは思えない清らかな水の流れを動画で撮影した。
水の流れる音は内蔵マイクのみで録音。
やっとダーウィンの滝にたどり着いた。
ここは拡張感度ISO 6まで下げ、予想より立派だった滝をスローシャッターで撮影。
NDフィルターを使用したような効果が得られた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
正に砂漠のオアシスという感じだ。周辺の雰囲気も入れて動画で撮影。谷底なので日陰になり、暑い夏場でもここならなんとか乗り切れそうな気がした。
カメラをしっかり構え、水に削られた岩にフォーカスした。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 135mm F1.8 DG HSM | Art
砂漠地帯にいることを忘れた光景だった。
カメラを三脚に据えて動画でも撮影。
砂漠のオアシスという言葉がぴったりくるダーウィンの滝から車を停めたパーキング場までの帰り道は気温が上がり、カメラリュックを背負った私の背中は汗だくになった。朝晩と日中の寒暖差が大きいのもこの地の特徴で、地形だけでなくデスバレーはタフな場所だと再確認した。帰りは来た道を戻らず、朝点けた暖房を冷房に入れ替え、パナミントバレーからサールズ・バレーをゆっくりと南下した。
Old Toll Rdから州道190号線に戻り東の方を見る。州道190号線を走りパナミント山脈を越えるとデスバレー。私はこの画面には写っていない手前で右へ曲がり、パナミント・バレー・ロードを南下した。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM | Sports
サールズ・バレーのトローナに建つ大きな箱のような教会は、殺風景な土地に似合っていた。
強烈な陽光で眩しかったが、よく見ると白いペイントがだいぶ剥がれていた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
トローナで見かけ朽ちたストーンハウス。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
塩湖が干上がった土地のホウ砂工場。この地独特の空気感が漂っている。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM | Sports, SIGMA MOUNT CONVERTER MC-21
あまり毒性はないと聞くホウ砂の産地としてもデスバレーは有名だ。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
広大な土地にトローナへ繋がる貨物列車が停車していた。
数日前に降った雨で溜まった水溜りは、この土地では珍しい。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
かつてダーウィンからダーウィン・ウォッシュまで使用された道は、地図上ではオールド・トール・ロードと記されている。どのようなコンディションなのか、この目で見たわけではないので分からないが、涸れ川に砂地も走るので、普通車では走行出来そうもない。機会があれば、寂れてしまったダーウィンから本格的な四駆で走ってみたい。