第266回
ネバダ州ライオライト / Rhyolite, Nevada
January 19, 2021
冷え込んだ朝、「最後の晩餐」と題された等身大の白い彫刻は朝陽を浴び、その存在感を増していた。ネバダ州のアマゴサバレー北端に位置するゴーストタウン、ライオライト(Rhyolite)の南にあるGoldwell Open Air Museumには、様々な彫刻が展示されている。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
ネバダ州ラスベガスの北西約190 km、デスバレー国立公園の東約8kmに位置する標高約1,200 mの荒涼とした土地にあるライオライトは、1905年の初めまで探鉱発見の後に出現した幾つかの採掘キャンプの一つだった。その後のゴールドラッシュで多くの人が集まり、1906年には実業家のチャールズ・シュワブが鉱山を購入し、水道、電線、鉄道輸送等に投資した。1907年までにライオライトは、電灯、水道、電話、新聞、病院、学校、オペラハウス、証券取引所がある町へと発展を遂げた。Rhyolite(流紋岩)にちなんで名付けられた町の人口は、ピーク時には3,500人から5,000人に達したとされる。急速に発展したライオライトだったが、鉱山の生産量はすぐに減少し、1906年のサンフランシスコ地震と1907年の恐慌の影響もあり開発資金の調達は困難になり、鉱山は1911年に閉鎖された。
冬の日、私は現在国の土地管理局(BLM)によって管理されているライオライトへ立ち寄った。
最後の晩餐(1984年)と題された白い彫刻は後方からも絵になった。
作者はCharles Albert Szukalski。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
鉱山の発見者であるShorty Harrisに捧げた彫刻。
濃いブルーだった空を大きく入れて超広角レンズで撮影。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
木の台に小さな石が積み上げられ、そこにガラスの球体が置かれている。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
風景色鮮やかなタイル張りの椅子が荒野に置かれている。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
タイトルは「Lady Desert The Venus of Nevada」という高さ7.62mの彫刻は、コンクリート・ブロックで制作されている。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
折り鶴の彫刻が展示されているのは予想外だった。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
暖かさを感じる木の彫刻の調色は温黒調にした。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art
Goldwell Open Air Museumは、鉱物が発見されたブルフロッグ・ヒルズ(Bullfrog Hills)の麓にあり緩やかに傾斜した土地にある。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
ライオライトの南端に車が放置されている。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
廃墟になった家の屋根にフォーカスする。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
錆びたピックアップトラックの運転席を覗き込む。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
ピックアップトラックの給油口にフォーカスする。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
ピックアップトラック越しにShorty Harrisに捧げた彫刻を見る。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
午後3時を過ぎるとライオライトは夕方の光になった。私は9.5km北のベイティー(Beatty)に宿を見つけ、この夜は早めに寝込んだ。翌朝、暗いうちに宿を出て、日の出前にGoldwell Open Air Museumへ再び出かけてみた。
明るくなって東の空の色に染まってきた白い彫刻。
朝の冷え込みは厳しく手袋をしていても指先の感覚がなくなった。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
日の出直前が一番冷え込み、風も強く吹いた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
「最後の晩餐」と同じ作者、Charles Albert Szukalskの白い彫刻Ghost Rider(1984)が、朝陽の色に染まっていた。大口径広角レンズらしい美しいボケ味を活かした写真が撮れた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
寒い朝、訪問客のいないGoldwell Open Air Museumからライオライトへ歩いて移動し散策した。
銀行だった建物にはまだ陽の光が届かず、後方の山が朝陽に染まり、雲ひとつない青い空に月が浮かんでいた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
大きな建物だったようだが、何だか戦場跡にも見えた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
1906年創業とある店跡。この年に多くの建物が建ち、町は大きく発展した。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
町の北部に残された家。アメリカでも昔の家は小さかった。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
町の北部にUNION PACIFICの列車が置かれているが、ここはかつてガソリンスタンドとして使用されていたようだ。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
町の北端からかつて鉱山で栄えた町を見下ろす。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
Goldwell Open Air Museumとゴーストタウンを動画でも撮影。
日の出前に到着したGoldwell Open Air Museumには人影はなく、ゴーストタウンでも誰にも会わなかった。撮影後、モーテルに戻り椅子に腰掛けて温かいコーヒーを飲んでいると居心地がよく、キャンプ予定だったこの夜もここに宿泊したいと思い始めていた。