第275回

三浦・岩礁のみち / Miura Reef Route

June 3, 2021

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
シャッタースピード 1/500s
絞り値 F8.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 261.9mm
カラーモード モノクローム

神奈川県の三浦半島東南端に位置する剱崎(つるぎざき)の岩礁をハイカーが歩き、海上には船が現れた。
ここは東京湾に出入りする航路の要所で、間口港も隣接しているため、海上を行き交う船は多い。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary

5月中旬、神奈川県の三浦半島先端の海岸を歩く「三浦・岩礁のみち」を散策した。このコースは、関東地方1都6県が整備する総延長1,799kmの「関東ふれあいの道」の一部で、去年、剱崎周辺を散策した際にこのコースを知り、いつか歩き通してみたいと思っていた。その時は、カメラはSIGMA fp、レンズはAPS-Cミラーレス用のDC DNシリーズ、SIGMA 100−400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporaryで撮影したが、この日は、カメラはSIGMA fp L、レンズはIシリーズSIGMA 100−400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporaryをカメラリュックに入れた。指定された全長10.3kmのコースを忠実に歩くことを心がけ、京浜急行三浦海岸駅からバスに乗り、15分ほど東京湾を眺めながらバスに揺られ、コースの起点・松輪バス停に降り立ったのは午前9時半だった。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/500s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 35mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

松輪バス停付近の畑は農作業の真っ盛りで、東京湾の入り口である浦賀水道が畑の先に霞んで見えた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary

畑に囲まれた車道を南東へ1.8km歩き、間口漁港に到着。漁港は、漁師たちの話し声、周辺の森から鳥の鳴き声、漁船のエンジン音が聞こえ、活気に満ちていた。写真を撮る私を見た漁師のひとりが、不思議そうな顔をして「なんか面白いものここにある?」と聞いてきたので、「ありますよ、撮影しながら海岸を西へ歩くつもりです」と返すと、「色んな人がいるね、今日は大潮でこれから潮が引くから歩きやすいよ」と言った。
剱崎からは、道なき岩礁を歩いた。去年この辺りを散策した際、立ち寄った剱崎の岸壁上に建つ灯台までは上らなかった。つるぎざきは、国土地理院の地図上の表記は山へんの「剱崎」、海上保安庁の海図上の表記は土へんの「剱埼」と表記され、読み方も、「つるぎざき、つるぎさき、けんざき、稀にけんさき」があり紛らわしく、以前、剱崎と表記した灯台は、正式には剱埼灯台。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/320s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 24mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

剱埼灯台の下に位置する「竜宮祠」の鳥居越しから太平洋を見る。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
シャッタースピード 1/1000s
絞り値 F6.3
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 400
焦点距離 400mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

イソヒヨドリが、ここの標高と津波注意が書かれた標識に飛んで来た。
しばらく留まっていたので、同じ位置からシームレスなSIGMA fp Lで静止画と動画を撮影した。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary

地図上で片谷浜と表記される海岸には、雑草が生い茂る中、民家と作業場を兼ねているような古い建物があり、浜の奥には小さな船二艘が置かれ、浜には錆びた船のエンジンが置き去りにされていた。岸壁下の茂みからは、誰かが金属を叩く音が聞こえ、浜には、船に関わると思われる作業をする年配男性が汗を流していた。「岩礁のみち」のコース上である浜の幅は狭く、すぐ側を通り過ぎたが、男性が私を見ることはなかった。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/4000s
絞り値 F2.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 65mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

片谷浜と地図上に表記される岩礁は、何だか分からない木の棒が立ち不思議な場所だ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/500s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 65mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

突起した岩礁は一見の価値があるが、干潮時にしか撮れない絵だったかもしれない。
私が立った岩礁には海水が溜まっていたので、満潮時は海水にかなり満たされそうだ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 65mm F2 DG DN | Contemporary

江奈湾では東岸から北岸へ進んで県道を歩き、そこから畑が広がる内陸に入り、毘沙門天浜へ出た。浜へ出る前、森の中にある三浦七福神の第2番目の白浜毘沙門天(慈雲寺)に立ち寄った。去年、剱崎へ車で来た時も立ち寄ったが、ここが「三浦・岩礁のみち」のコース上だとはその時知らなかった。毘沙門天浜からは変化に満ちた岩礁が続き、このコースの見どころだった。撮影スポットは沢山あったが、この日は昼頃が干潮で、潮が満ちて岩礁から動けなくなったらと思うと、押し寄せる波の音が急に大きく聞こえはじめ、撮影も早めに切り上げ、千畳敷を走るように歩いた。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/4000s
絞り値 F2.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 200
焦点距離 45mm
カラーモード モノクローム

湾の北岸は、コースに従い県道を歩いた。
県道から港への出入り口で老人が湾を眺めていた光景は、老人のメガネにフォーカスした。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/200s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 24mm
ホワイトバランス オート
カラーモード デュオトーン G1

三浦七福神の第2番目の白浜毘沙門天・慈雲寺。
隣接する海岸の森の中にある境内は薄暗く、ちょっと不気味な雰囲気がする。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/640s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 35mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

慈雲寺が建つ鬱蒼とした森を抜けると明るい毘沙門天浜が待っていた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 35mm F2 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 24mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

昔、盗賊が追われてこの崖上の端まで来て下を見ると、断崖と渦巻く高波を前に足がすくみ捕らえられた。
そのことから名付けられたとされる「盗人狩」と呼ばれる景勝地は、崖の上から覗くと盗賊の気持ちが分かるかもしれない。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary
シャッタースピード 1/320s
絞り値 F6.3
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 24mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

落石が多いようなので、岸壁の下から離れて歩いた千畳敷。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 24mm F3.5 DG DN | Contemporary

宮川港に到着すると夕方の光で港が赤く染まっていた。港から最終地点の宮川町バス停までは400mほどだったが、次のバスまで1時間近くあったので、港で時間を潰した。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary
シャッタースピード 1/200s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 148.7mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

夕方の光に染まっていた宮川港。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary

シームレスなSIGMA fp Lで、静止画と動画を撮りながら「岩礁のみち」を歩いた。

この日は、空に薄い雲が少しかかっていたが、夏日のような気温で風は弱く、「三浦・岩礁のみち」を歩き、写真を撮るには良い日だった。車道を歩く区間はあったが、岩礁は車道から離れているので、車やバイクの音がないのが良かった。残念だったことは、海岸にゴミが多かったことだ。意外だったことは、海岸に生い茂る草木が多く、ウグイス等、多くの鳥の鳴き声が近くに聞こえたことだった。コースの起点から終点まで歩かなくても岩礁の風景は撮れるから、一度訪ねてみることをお勧めしたい。

剱崎