第322回

初夏の秩父 / Chichibu in early summer

June 22, 2023

押本龍一「私の出会う光景」
カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス 色温度指定
カラーモード フォレストグリーン

埼玉県秩父市大滝の荒川を渡り、三峯神社大輪表参道から超広角レンズで、渡って来た赤いアーチ型の登竜橋、荒川、周辺の深い緑の森を大きく入れて撮影した。登竜橋は全長40m、幅2.5mの人道橋で1955年完成の三代目、初代の橋は現在より少し下流にかけられていたようだ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

関東甲信地方の梅雨入りから三日後の土曜日、少し家でのんびりしようと考えていたが、梅雨時の予定がなく雨の心配が要らない日を家で過ごすにはもったいないと思い、濃い緑を求め秩父の山奥へ車で向かった。疲労が溜まっていたので、自然のパワーがあふれる関東最強のパワースポットとの評判を聞く三峰神社に参拝し、そこから奥宮まで登る予定を立て、道中は先を急がず惹かれた場所があれば立ち寄るつもりで家を出た。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F2.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス オート
カラーモード シネマ

荒川沿いの国道140号線を走ると左手に見えた秩父鉄道秩父本線の上長瀞駅。三峰口方面のホームにはレール製の柱の旅客上屋がありレトロな雰囲気がした。超広角レンズで、驛長室と書かれたサインにフォーカスし、塗装が剥がれた屋根裏とホームを大きく写し込む。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/400s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 85mm
ホワイトバランス オート
カラーモード 風景

この日目指していた三峯神社の玄関口である三峰口行きの電車を追うように撮影。
この辺りの緑はとても濃く、朝からすでに蒸し暑かった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/640s
絞り値 F2.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 85mm
ホワイトバランス オート
カラーモード 風景

上長瀞駅から少し南、荒川のライン下りの船乗り場。全日の雨で荒川自体の流れは荒れているように見えたが、船が係留されている小さな入り江の水面は穏やかだった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F6.3
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス オート
カラーモード 風景

埼玉県秩父市浦山地先、荒川水系浦山川に建設された堤高156.0 m、堤頂長372.0 mの浦山ダム(うらやまダム)からダム下を覗き込む。ここまで来ると気温が上がり非常に蒸し暑くなった。虫が多く発生しレンズの周りを飛び交い、あまり気分の良い朝ではなかった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス オート
カラーモード 風景

秩父鉄道秩父本線の武州中川駅 – 武州日野駅間、荒川の支流である安谷川に架かる全長80.569mの安谷川橋梁(あんやがわきょうりょう)。アニメが描かれた電車と橋梁が歪んで見えるのは、超広角レンズでパースを利用した撮り方をしている為。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

荒川沿いの国道140号線を走り、かなり山奥に入って来たなと感じた頃、国道横に白い鳥居が建っていた。国道の路肩横の駐車場に車を停めた後、声をかけるようにとのサインがあった店に行くと「駐車無料」のサインがあった。白い三峯神社・大輪表参道鳥居周辺には数件の土産物屋などが建ち並んでいたが、どの店も閉まり寂れた空気感が漂っていた。2007年にロープウェイが廃止された後、大輪を訪れる人が激減したようだが、参拝客がここから三峰神社まで登った時代を知る人には寂しい光景かもしれない。私は大輪表参道鳥居を潜り、荒川が流れる三峰登竜渓と呼ばれるV字型の渓谷を登竜橋で渡り、ロープウェイ乗り場跡まで湿った空気が漂う参道を少し歩いてみた。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F2.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 200
焦点距離 85mm
ホワイトバランス 色温度指定
カラーモード フォレストグリーン

登竜橋を渡り参道に出ると幾つもの板碑が建ち並び、苔生した狛犬も迫力があった。
三峯神社の狛犬は狼なのでこの参道の狛犬も狼だと思われる。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F2.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 320
焦点距離 85mm
ホワイトバランス 色温度指定
カラーモード フォレストグリーン

今は主にハイキングコースとなった三峯神社表参道コースのスタート地点の石畳は濡れていて滑りそうだった。かつて三峰神社の参拝客が登った参道は静まり返り、数人の登山客の姿を見かけただけだった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/200s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 35mm
ホワイトバランス オート
カラーモード フォレストグリーン

参道から逸れて立ち寄った「竜門の滝」から流れ落ちた水が荒川へ注ぐ部分。
滝も良かったがこの光景が気に入った。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art

三峯神社表参道コースから車に戻ると14時を過ぎていた。三峰神社を参拝しそこから奥宮へ登るには遅すぎるので、「道の駅大滝温泉」にある大きな地図看板で見つけた大除(おおよけ)沢不動滝をこの日の最終目的地にした。二瀬ダムにせき止められた秩父湖の奥へ入り、国道140号線から左へ分かれる荒川沿いの細い道を西へ3.7km走り、路肩にある駐車スペースに車を停めた。道沿いのあずま屋から荒川上流まで下ってつり橋を渡り、くねくねした山道を登った。歩きはじめて25分、石段を登ると小さな社(大除不動尊)が建っていたので無事に下山が出来るよう祈念した。「大除沢不動滝」はそこから少し下った先にあった。滝から激しく流れ落ちる水量は予想以上で、滝に近寄ると歩いて来た山道との温度差の違いが激しく、かいた汗は引っ込み体が急激に冷えだした。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/4s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス オート
カラーモード フォレストグリーン

大除沢不動滝へ向かう途中の山道で見かけた湧き水。
小さな滝に見えた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/13s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス オート
カラーモード フォレストグリーン

荒川に流れ込む大除沢がつくる落差50mの大除沢不動滝は、徳川時代末期は行者の修行場だった。
昭和初期には多くの林業労働者が大除沢へ入山し、不動滝は守護神として祀らえた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/8s
絞り値 F5.7
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス オート
カラーモード フォレストグリーン

神秘的な大除沢不動滝から流れ落ちた大量の水が大除沢へ流れ込む。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

水しぶきを浴びて撮影した大除沢不動滝でマイナスイオンをたっぷりと浴び、道中で発生した虫の大群や蒸し暑さ等の不快なことを忘れ、滝周辺の濃い緑にもエネルギーを得て生き返ったような気がした。撮影後、滝から大除不動尊まで上がり、そこから下りかけた時に足を滑らせ、左手首を痛めた。滝周辺は湿っていて非常に危険だったので、この程度の怪我で済んだのは大除不動尊の加護だったと思い、気を引き締めて帰りの山道を下りた。
ハイキングマップによると、大輪表参道鳥居から三峰神社まで2時間20分、境内から奥宮まで1時間10分、片道3時間半(休憩の入れない)の登りとあるので立派な登山だが、昔の参拝者の気持ちになって、この日行くことの出来なかった三峯神社の奥宮まで大輪表参道から登ってみたい。

荒川沿いを上って支流の大除沢まで入ったこの日を動画で撮影した。

大除沢不動滝

撮影風景と機材

マイペースで気ままに旅した撮影風景。