緑豊かな魔法の大地を巡って
CONTEMPORARY
20–200mm F3.5–6.3 DG
Impression
by エルベ・ランヌ|Herve Rannu

自然の風景ということで言えば、真夏のエストニアは変化に乏しい季節です。
みずみずしい春はすでに過ぎ去り、星が美しく輝く8月の夜もしばらく先のこと。
暑さが続き、辺り一面が静寂に包まれるこの時期は、ネイチャーフォトグラファーである私にとって、一年で最も退屈な季節といえます。
しかし、息を呑むような素晴らしい場所が全く見つからないというわけではありません。この世界には、変化のない退屈な場所など存在しないのです。


ラヘマー国立公園の中にアルティアという小さな村があります。この村の近くのハイキングエリアは、まさに「緑豊かな魔法の大地」とでも呼ぶべき場所です。
シダ植物が生い茂る森には穏やかな小川が流れ、鳥たちがさえずり、青色の美しいイトトンボが川面を飛び交っています。
耳を澄まし、目を凝らせば、カワセミにも出会えるかもしれません。
ここを初めて訪れた人は、目の前の光景が現実なのか疑ってしまうことでしょう。そこには、まるでファンタジー映画のワンシーンのような景色が広がっているのです。
アルティアの森への数年ぶりの訪問は、そこに宿る魔法のような美しさを改めて感じる、素晴らしい機会になると思いました。



Sigma 20–200mm F3.5–6.3 DG | Contemporaryは、この美しい森のあらゆるシーンを捉えることに大いに役立ちました。川やシダの広がる風景全体を捉えた広角の写真から、被写体を引き寄せる望遠ならではのフレーミングまで、幅広い焦点距離のおかげで自在に撮影できたのです。
このレンズは近接撮影にも優れているため、私は小さな被写体に近づいてそのディティールを撮影し、ふだん目にすることのない「隠れた自然」に触れることができました。
そして、望遠側では焦点距離200mmを活かして川面を飛ぶイトトンボもしっかりと捉えました。
場面に応じてレンズを交換しようとは、一度も頭に浮かびませんでした。そのため余計なことに意識を奪われることなく、快適に撮影ができました。
私は魔法のように美しい風景の中を思いのままに歩き回り、目に映るものすべてを自由に撮影できたのです。



このレンズは様々なシーンに対応できる非常に汎用性の高い1本だと思います。しかもコンパクトで軽量なので、旅行にも最適でしょう。

ラヘマー国立公園の美しい自然の中を数日間歩き回っているうちに、私は深い瞑想的な感覚に包まれるのを感じました。そして、心から誇れる写真たちを手に、私は静かに森を後にしました。
すべてを捉えてくれたのは、Sigma 20–200mm F3.5–6.3 DG | Contemporary。
この最高にクールな1本が、旅そのものをより楽しくしてくれました。




Behind the Scenes
ABOUT
エルベ・ランヌ|Herve Rannu
ネイチャー&アウトドアフォトグラファー
エストニアのヴィリャンディ在住。風景や夜景を主に撮影している。自然の中で自身のビジョンを表現する場として、ハイキングやキャンプなどのアウトドアにも情熱を注いでおり、凍てつく寒さの中のオーロラから、心身に語りかけてくるような霧深い朝の風景まで、その写真の題材は多岐にわたる。
近年は国外へも撮影の場を広げているランヌにとって、旅は重要なインスピレーションの源となっている。
美はあらゆる場所に存在する、との考えから、ランヌは自らの作品を通して、人々が立ち止まり、日々の暮らしの中で出会う自然の美しさに目を向けることの大切さに気づくことを願っている。