インプレッション

火星の風景から星空を見上げて:
Sigmaで捉えたアタカマ砂漠

CONTEMPORARY
15mm F1.4 DC

by パト・オセス|Pato Oses

Sigmaの新製品である15mm F1.4 DC | Contemporaryでの撮影依頼を受け、そのスペックを目にした瞬間、私はこのレンズが低光量下での撮影や天体写真の撮影にぴったりだろうと考えました。
そして、最適な場所としてすぐに思いついたのが、アタカマ砂漠の中でも特に有名な「コルディジェラ・デ・ラ・サル」です。
ここは火星の地表面を彷彿とさせる奇岩群、夕暮れ時に広がる暖かな光、そして世界で最も美しい星空が見られる場所のひとつとしても知られています。
この環境こそが、新しいレンズの性能を確かめるのに理想的な舞台であることは間違いありませんでした。

実際に届いたレンズを手にしてまず感銘を受けたのは、明るさを備えながらも非常にコンパクトなサイズと軽量なことでした。それは旅行やハイキングなど、さまざまなアウトドアシーンにおいて、大きな魅力となります。
また、このレンズの「兄貴分」とも言えるSigma 14mm F1.4 DG | Artをすでに使用している私にとって、サイズと重さの違いは一目でわかるほどで、実際に使ってみてもその差は大きく感じられました。

F1.4という明るい開放絞り値により、前景にフォーカスを合わせると非常に美しいボケの表現が生まれます。また、シャッタースピードを極端に長くする必要がないので、手持ちでの撮影も可能です。光学性能も非常に高い完成度を備え、光量の少ない環境や、高感度での撮影時も、極めて優れたシャープネスを維持してくれました。

このレンズが真価を発揮するのは、やはり光量の少ない環境です。F1.4という明るさによって手持ち撮影でも多くの光を取り込めるので、同じ条件下では三脚が必要になるような他のレンズと比べても、その差を明確に感じました。

これは天体写真の撮影にも必須のレンズと言えるでしょう。コンパクトで軽量なボディ、そしてF1.4の明るさという、星空の撮影に最適なスペックを兼ね備えています。
特に、光害のない暗い夜空を求めて遠くへ撮影旅行に出かけるような場合にうってつけのレンズです。

F1.4という開放F値により、露光時間を短く抑えつつ、比較的低いISO感度での撮影が可能になります。その結果、美しい星空と周囲の風景のディテールを同時に捉えることができました。
これは撮影後の煩雑な編集作業の簡略化にも繋がります。
従来はスタッキングやブレンディングといった画像処理技術を駆使しなければ難しかったような表現が、このレンズなら単一露光の撮影で可能になります。

このレンズはコンパクトなサイズと軽量性、F1.4の明るさ、そして優れたシャープネスを兼ね備えた完成度の高い1本です。アウトドアや旅を愛する人にとって理想的な選択肢であると同時に、ストリートフォトの撮影にも心強い相棒となってくれるでしょう。

BEHIND THE SCENES

ABOUT

パト・オセス|Pato Oses
写真家

パト・オセスはチリのアタカマ砂漠を拠点に活動するプロ写真家兼ツアーガイド。写真家としては昼景・夜景を問わず風景写真を専門とし、南米はもちろん世界的にも最も風光明媚な場所のひとつであるアタカマ砂漠を訪れる世界各国の写真家や観光客のためのガイドとしても活動している。

オセスは活動においては写真とツーリズムを無理なく融合させている。写真家としてのプロフェッショナルな助言や地域の環境に関する専門的な知識を提供するだけでなく、旅の大切な思い出となる高品質な写真素材も提供するなど、パーソナライズされたアタカマ砂漠体験を実現している。自らの撮影では単一露光を旨とし、構図、自然光、そしてクリーンかつ繊細な編集スタイルによって、風景の真のエッセンスを焼き付けた作品を生み出している。