第253回
神奈川県、洒水の滝(しゃすいのたき)/ Shasui Waterfall - Kanagawa
July 08, 2020
神奈川県の最西端の町である山北町(やまきたまち)の森へ足を踏み入れると、日本の滝百選に選ばれている「洒水の滝」が見えてきた。まだ訪問客の姿のない間に少しでも早く滝に近づきたい気持ちを抑え、静止画と動画を撮りながら少しずつ滝へ近づいた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
自粛が緩和されたとは言え、出来るだけ人とのすれ違いを避けて撮影をしたかった私は、梅雨の晴れ間、訪問客の少なさそうな神奈川県の西端に位置する洒水の滝へ向かった。朝の5時半、神奈川県三浦郡葉山町を出て相模湾沿いを西へドライブする。日本での運転歴が少ない私は安全運転を心がけ、海岸線の道路では何台もの車が私を追い越して行く。二宮で内陸部へ入って北西へ走り、滝の入り口付近へ7時過ぎに到着した。そこにはトイレと5台ほどの車が停められる駐車場が完備されているが、停車する車も人の姿もなかった。私は、洒水の滝が流れて来る滝沢川に掛かる細い橋を車で渡り、樹木で日陰になっている土の駐車場に車を停めた。そこにも停車する車はなく、しっとりと濡れていた滝へ向かって歩く山道にも訪問客の姿は見かけなかった。
滝の入り口周辺は小さく区切られた畑が続き、朝露が溜まった草が水々しかった。この日最初の一枚を標準ズームレンズで撮り、撮影気分にスイッチが入った。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
洒水の滝の水が流れてくる滝沢川に掛かる和合橋。この付近から既にひんやりとした空気を感じる。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
滝沢川沿いを下って神奈川県立「21世紀の森」へ入るハイキングコース。川沿いには紫陽花が咲き、時間があればこちらの方へも歩きたかった。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
洒水の滝へ向かって歩くと、木彫りの魚を見かける。ニジマスだろうか?
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
滝に向かう途中に見かけた周辺の案内図。色褪せた案内図を、新しく加わったカラーモードの「切」に設定して撮影した。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
山道沿いの祠。緑濃い苔は梅雨時に更に緑に見える。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
滝へ向かってシダや苔に覆われている石垣の横を歩く。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
滝の音がかなり大きく聞こえてくる辺りに石のダルマが鎮座している。よく見ると「幸せダルマ」と書かれてあり、このダルマの右横から階段を登ると森越しに洒水の滝が見える観瀑台がある。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
観瀑台から森越しに見る洒水の滝は非常に神秘的で、大きな滝の音が森に響き渡っていた。ここからの滝を観るだけでも来る価値があると思う。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
残念ながら滝壺近くまでは「危険 落石あり この先進入禁止」のサインがあり近寄れなかったが、梅雨時ならではのみずみずしい光景が周辺に溢れていたので、被写体に困ることはなかった。滝沢川から流れ落ちる洒水の滝は、かながわの景勝50選(1979年)、名水百選(1985年)、日本の滝百選(1990年)、かながわ未来遺産100(2001年)に指定されている。洒水(しゃすい)の名は、密教用語で清浄を念じてそそぐ香水を指す。滝は三段で、下流から一の滝は高さ69.3m、二の滝は高さ16m、三の滝は高さ29.7 m。古くから相模の国第一の滝とされ「新編相模国風土記稿」では、「蛇水の滝」と記され、鎌倉時代の名僧文覚上人が百日間にわたる滝行を積んだ地としても知られている。
滝へ向かう山道と石垣の間の排水溝にも澄んだ水が勢い良く流れていた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
朝早くからホウキで山道を掃除するおばさん二人が何処からともなく現れた。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
洒水の滝から流れ落ちてきた水はよく整備された滝沢川を流れていく。滝沢川の水は地域住民の生活用水としても使用されている。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
資料によると軟水で、カルシウムイオン、重炭素イオン、硝酸イオンが豊富な名水百選の水を味わってみた。飲み心地は最高だったので、次回来る時は必ずペットボトルを持参したい。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
ここからでもマイナスイオンを十分浴びた気になった。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 14-24mm F2.8 DG DN | Art
ISO拡張機能を使用し、滝の流れを一本の白い線に撮影出来た。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM | Sports
6月25日にリリースされたSIGMA fpのファームウェア Ver.2.00の新機能であるシネマグラフで、滝を止めてみた。
この赤い橋は渡れず、橋手前の川下で撮影。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art
観瀑台から赤い橋まで滝とその周辺を動画で撮影した。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN | Art, SIGMA 45mm F2.8 DG DN | Contemporary, SIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSM | Sports, SIGMA MOUNT CONVERTER MC-21
滝周辺を撮影した後、行きに歩いた山道から、洒水の滝本寺と丹沢山別院最勝寺というお寺の境内を通り駐車場へ戻ると、一組の年配の夫婦が和合橋を渡って来るところだった。平日のこの日、掃除のおばさん二人と男性二人を滝周辺で見かけたが、週末は人出がもう少しあるのかもしれない。
洒水の滝本寺境内仏像。周囲は緑濃い森。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
洒水の滝本寺境内にもきれいな湧水が。気温が上がってきたのでここで顔を洗った。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
二つのお寺が隣合わせになっている。丹沢山別院最勝寺の境内へ渡り、洒水の滝本寺へ続く石の階段を見る。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
丹沢山別院最勝寺の境内にお地蔵様が並んでいる。水子供養のお寺のようだ。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
滝沢川に掛かる和合橋から撮影。滝沢川に下りる護岸壁に埋め込まれたハシゴにフォーカスした。
【使用機材】 SIGMA fp, SIGMA 35mm F1.2 DG DN | Art
日本の滝百選に選ばれているだけのことはあり、洒水の滝は美しく立派な滝だと思う。周辺の森も湧き水もすばらしい。駐車場からのアクセスもよくカメラ機材の持ち運びも苦労しない。現在、滝壺へ近寄れないが、立入禁止のサインがある赤い橋の手前からでも十分なマイナスイオンを感じた。毎年7月の第4日曜日には「洒水の滝祭り」が開催され、水行、火祭り、洒水太鼓の演奏が行われるようだが、今年は開催されるのだろうか。
洒水の滝
使用機材
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MOUNT CONVERTER MC-21
SIGMA SA-L
Canon EF-L
SIGMA MOUNT CONVERTER MC-21は、SIGMA SAマウント用交換レンズ、およびSIGMA製キヤノンEFマウント用交換レンズをLマウント採用のカメラボディで使用するためのコンバーターです。