第300回
和歌山県和歌山市加太・深山地区の砲台跡 / Gun Battery Site in Kada・Miyama District, Wakayama City, Wakayama Prefecture
June 22, 2022
和歌山県和歌山市加太の北側に位置する深山第一砲台跡の先には、紀州(和歌山県和歌山市、田倉崎)と淡路島(兵庫県洲本市、生石鼻)間の幅11kmの紀淡海峡(きたんかいきょう)が一望できる展望台があった。友ヶ島(地ノ島、虎島、神島、沖ノ島の総称)がはっきりと見え、その先の大きな淡路島が霞んでいる大きな海峡を目の前にし、気持も大きくなって写真を撮った。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
5月中旬、和歌山県の北西端、大阪府との県境近くに位置する加太・深山地区の砲台跡周辺を散策した。神奈川から走って来た私は、当初、翌日に加太港から沖ノ島へフェリーで渡り、島にある砲台跡を散策する予定だったが、西からの前線が思ったより早く関西方面へ近づき、翌日は朝から一日中雨の予報だったので、宿泊先の大阪を素通りし和歌山県和歌山市加太港へ向かった。加太港へ近づく頃には既に午後2時近くになっていたので、島には渡らず加太周辺にある砲台跡を散策することにした。この地区の砲台は、大阪湾を防衛する目的で友ヶ島、淡路島を含む由良要塞(ゆらようさい)の一部として明治時代に造られた大日本帝国陸軍の要塞だ。
午後2時過ぎに休暇村紀州加太手前の駐車場に車を停め、深山第一砲台跡へ続くレンガ道を歩いた。沢山の歴史が詰まったレンガ道は、ただ通り過ぎるには忍びなく、立ち止まって足元にレンズを向けた。
【使用機材】SIGMA dp1 Quattro
北西方向の砲撃を担った深山第一砲台の弾薬庫跡へ下りる階段。
光の届かないひんやりとした地下室に弾薬が保管されていた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary
明治30年(1897)に竣工された深山第一砲台の弾薬庫跡前の通路に立ち、重厚なレンガ造りの壁を見上げる。
【使用機材】SIGMA dp1 Quattro
レンガ張りのアーチトンネルの地下にも弾薬庫跡があり、トンネル内は大きなワインセラーのようにひんやりとしていた。
【使用機材】SIGMA dp1 Quattro
深山第一砲台跡から約4km南下し、加太砲台跡にも立ち寄った。「和歌山市立青少年国際交流センター」に届けを出せば、その先にある田倉崎砲台跡にも行けたのだが、センターは既に閉まり加太での行動は制限された。
加太砲台跡のトイレはよく整備され今でも使われているようだった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary
加太砲台跡の下にあった施設の入り口。カラーモードはシネマがピッタリだった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary
生い茂る草木の中に重厚な壁でつくられた建物が残されていた。
地上レベルに建てられているが弾薬庫に見えた。
【使用機材】SIGMA dp1 Quattro
加太砲台跡を少し散策した後、紀淡海峡を目の前にする海岸線へ下りた。紀淡海峡に浮かぶ地ノ島、虎島、神島、沖ノ島の4島を総称して友ヶ島と呼び、大きな地ノ島と沖ノ島の2島によって三分された海峡は、東から、紀伊半島と地ノ島間を加太瀬戸(幅約800m)、地ノ島と沖ノ島間を中ノ瀬戸(幅約500m)、沖ノ島と淡路島間を由良瀬戸(幅約4km)と名づけられている。大型船が通過するのは、西の最も広い由良瀬戸で、友ヶ島水道とも呼ばれている。
海岸に突き出た朽ちた施設の先には、この日行けなかった沖ノ島が見えた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary
加太港に来ると少し雨が降ってきたので良い夕陽は期待出来ないかな?とこの時は思った。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
加太港第3防波堤灯台の脇で迎えた期待以上のサンセット。
カラーモードは迷いなくサンセットレッドを選択。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 16-28mm F2.8 DG DN | Contemporary
灯火標高49mの田倉埼灯台(たくらざきとうだい)が建つ田倉崎と紀淡海峡。
陽が沈むと肌寒くなってきた光景は、カラーモードに好きなデュオトーンB2を選択。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN | Contemporary
加太・深山地区の砲台跡周辺を散策したこの日を動画で記録した。
天気が下り坂だったが、紀淡海峡の穏やかで綺麗な夕陽も撮れたのはラッキーだった。
場所を変更して散策した加太周辺は、港も含めて撮影にとても興味深い場所だった。砲台跡の歴史を感じる建物やレンガ道では、じっくりと時間をかけて撮影したい光景が沢山あったが、本来は移動日だった日に撮影したので時間に限りがあり良い撮影ポイントを何箇所か素通りした。綺麗な夕陽は撮れたが、撮り残した感が強く残った。そして、当初予定していた「沖ノ島」へは近いうちに必ず渡ってみたいと思った。