第323回

葉山町の東部 / Eastern part of Hayama town

July 07, 2023

押本龍一「私の出会う光景」
カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/320s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

神奈川県三浦郡葉山町上山口地区の棚田は「にほんの里100選」(2009年)に選ばれ、2000年に収穫されたお米は皇室の新嘗祭(にいなめさい)に献上された。
広い画角の超広角レンズで、三浦アルプスと呼ばれる丘陵地帯を背景に入れ、棚田のある里山風景を撮影した。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

自宅に居る日はなるべく「はやま三ヶ岡山緑地」と呼ばれる海岸近くの低山を登るようにしている。足腰の運動が第一目的だが、鳥の声を聴きながらしばらく森に身を置くのが心地よく、特に誰もいない雨の日は好きなので、梅雨時は森の中に居る時間が増える。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art
シャッタースピード 1/250s
絞り値 F3.5
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 200
焦点距離 105mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード スタンダード

空は今にも雨が降り出しそうで、しっとりとした空気感が漂っていた6月中旬の朝、ハイキングコース入口付近に咲く数あるアジサイを一つ選び、背景をきれいにぼかすには中望遠マクロが最適だった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Art

6月下旬、田植えを終えた上山口地区にある棚田の風景がいいと知人から聞いた私は、梅雨晴れの日に訪れてみた。水を最上部の貯水槽に集めて給水している棚田は予想より小さく、立ち入り禁止のサインを見かけたので、田んぼのあぜに立つことなく車道から眺めるように写真を撮った。
棚田には長居はせず、細い道を東に25分ほど歩き、木古庭(きこば)地区にある不動滝へ移動した。この日は日差しが強く蒸し暑く、滝に到達するまで汗をたっぷりかいていたが、濃い緑の中に隠れるように存在する不動滝の前に到達すると、ひんやりとした空気に汗が一気に引っ込んだ。葉山町観光協会のHPには、悠久の時間(とき)を感じる不動滝と紹介され、源頼朝に国家鎮守を託された名将・畠山重忠が衣笠城の合戦に勝利し、この地に不動明王を勧請した際に湧いたとされ、落差5mほどと説明されている。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/20s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス オート
カラーモード フォレストグリーン

滝の前に二つの石灯籠が建っている。滝の最上部をどこに見るかで変わると思うが、観光協会による落差5mまでの大きさはないように見えたが、サイズ以上にマイナスイオンも存在感もある滝だ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/6s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス オート
カラーモード フォレストグリーン

滝に近づけるように設置されている踏み石の上に立って撮影。滝は小さくても流れ落ちる水量は多く、ひんやりとした空間にしばらく浸った。滝は下山川に流れ込み下山川は相模湾に注いでいる。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/160s
絞り値 F1.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 800
焦点距離 50mm
ホワイトバランス 日陰
カラーモード フォレストグリーン

生い茂る草木に隠れて見逃すところだった不動明王の石仏。
深い緑に溶け込み静かに滝周辺を護っているように見えた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art

滝から北西へ少し歩き石段を上がると、同じ木古庭地区にある日蓮宗大明山本圓寺の境外仏堂になる瀧谷山瀧不動堂(ろうこくざん たきふどうどう)、通称「木古庭不動尊」に出た。滝からは50mほどの距離だろうか、同じ敷地内には神明社が建ち、葉山町観光協会のHPで、不動滝は「木古庭神明社の不動滝」と紹介されているので、不動尊と神明社戸の関係がよくわからなかったが、静かな信仰の空間であることに間違いはなく、しばらく人影のない境内に滞在した。

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/200s
絞り値 F1.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 50mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード フォレストグリーン

アジサイ越しに「木古庭不動尊」石段下の不動明王にレンズを向ける。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/250s
絞り値 F2.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード 風景

寄れる超広角レンズで「木古庭不動尊」の境内に咲くヤマユリに迫るように撮影。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/160s
絞り値 F1.8
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス オート
カラーモード 風景

少しピークを過ぎていた境内のアジサイと不動堂。
超広角レンズの特性を活かしたパースペクティブな写真が撮れた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/250s
絞り値 F5.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード スタンダード

不動堂の裏側にこの敷地を管理している人の作業風景がイメージ出来る光景があった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/160s
絞り値 F1.4
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 14mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード スタンダード

同じ敷地内の不動堂の奥に建つ神明社の鈴紐に寄ってフォーカスした。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/125s
絞り値 F4.0
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 400
焦点距離 14mm
ホワイトバランス 晴れ
カラーモード フォレストグリーン

境内は木々が生い茂る森に囲まれた小高い丘にあり、石段横に見かけた巨木はイチョウだと思われる。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art

カメラ SIGMA fp L
レンズ SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art
シャッタースピード 1/250s
絞り値 F1.6
露出モード M-マニュアル露出
ISO感度 100
焦点距離 50mm
ホワイトバランス オート
カラーモード スタンダード

「木古庭不動尊」の境内下に草刈りの道具が置かれていた。
境内もその周辺も雑草がきれいに刈られていたのでまめに作業をしているようだ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 50mm F1.4 DG DN | Art

葉山町は海のイメージの強いが、上山口や木古庭には日本の原風景が残されている。暑い日だったが、その分不動滝の有り難さも感じられ、満足度の高い散策となった。

隠れるように存在していた不動滝は流れ落ちる水量も多く、落差3m程の滝とは思えない迫力を感じだ。

不動滝

撮影風景と機材

「はやま三ヶ岡山緑地」で撮影したアジサイはSIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO | Artを使用したが、上山口や木古庭ではSIGMA 14mm F1.4 DG DN | Art とSIGMA 50mm F1.4 DG DN | Artの2本を使用。隠れるように存在している不動滝では超広角レンズが有り難かった。