第303回
夏の奥日光 / Okunikko in Summer
August 19, 2022
栃木県日光市の日光国立公園内にある小田代ヶ原(おだしろがはら)へ向かった。湿原は早朝の霧が立ち込める光景が美しいが、この日滝巡りを先に済ませたので日中の訪問になった。木漏れ日が美しい森と緑濃い夏の湿原は昼間でも楽しく、鳥も元気に鳴いていた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art
梅雨が開けて暑さが一段と厳しくなった7月後半の平日、栃木県の日光国立公園内にある奥日光三名瀑を巡り、高層湿原を少し垣間見た。自宅から現地までは車で移動、前夜に東北自動車道の佐野SAで仮眠を取り、午前3時にSAを出てナビの目的地に設定した竜頭ノ滝へ向かった。
天気予報では曇りだったが、第二いろは坂を上り始めると周囲の山が明るくなってきた。標高1,173mの黒髪平展望台まで上ると、太陽が昇る辺りは雲が切れているのが見えたので車を停め、カメラを三脚に据え日の出を待った。
第二いろは坂の黒髪平展望台(標高1,173m)から日の出を午前4時42分から約1分間撮影。出始めは小さい点だった太陽が昇るにつれしっかりとした丸い形になり、上空を覆う雲が左から右へゆっくりと流れて行った。
太陽がしっかりとした丸い形に見えるまで昇った頃、新レンズのSIGMA 20mm F1.4 DG DN | Artで大きな雲にカバーされていた空を大きく入れ撮影。超広角レンズならではの写真が撮れた。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
期待していなかった日の出を黒髪平展望台で撮影し、ナビの目的地に設定した竜頭ノ滝の駐車場へは予定より45分程遅れて5時過ぎに到着。人気の観光地なのでスタート地点を何処にするかが問題だった。朝霧に包まれた戦場ヶ原、又は人の少ない時間の滝にするか迷ったが、連日の暑さに疲れていた私は滝を優先し、竜頭ノ滝から始めたのは行動範囲の真ん中に位置していたからだった。
華厳の滝、湯滝と共に奥日光三名瀑の一つとされている奥日光地域を代表する竜頭ノ滝の上部をSIGMA 20mm F1.4 DG DN | ArtとSIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artで撮影後、滝の上の湯川に流れ込む中禅寺湖が少し見える竜頭の橋からSIGMA 20mm F1.4 DG DN | Artで撮影。
全長が210メートルの渓流瀑である竜頭の滝は、男体山の噴火によりできた黒い溶岩の上を流れている。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
竜頭ノ滝が二手に分かれる滝の下部が見られる観瀑台は24時間アクセスが出来るのだが、時間外だと勘違いし、滝の上部と滝に流れ込む湯川のみ撮影した。その後、国道120号線を北上し、北東の三岳火山の噴火によって湯川をせき止め誕生した標高1,478mの湯ノ湖南端にある湖畔駐車場に車を停め、高さ70m、長さ110m、最大幅25mの湯滝まで歩いて下った。
風が強く荒れた湯ノ湖の湖畔から湯川沿いの遊歩道で湯滝まで下った。
超広角レンズ・SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Artと中望遠レンズ・SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artの2本で撮影。
三岳溶岩流の岩壁を湯ノ湖の湖水が滝へ流れ落ちている迫力のある光景。
遊歩道を下る手前で撮れるのが嬉しい。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art
高さ70m、最大幅25mの湯滝の下部に突起した黒い岩と白い滝のコントラストが目に焼き付いた。
眺めていると滝に吸い込まれ一体になるような気になり、中望遠レンズ・SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Artで切りとった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 85mm F1.4 DG DN | Art
マイナスイオンに満ちた滝壺付近に釣り人がいるのは自然な光景に見えた。
新レンズのSIGMA 24mm F1.4 DG DN | Artは多くのシーンに適合し、描写力も非常に良いレンズだ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art
湯滝からは走って来た国道120号線を戻り、男体山の噴火によってせき止められた中禅寺湖の湖水が流れ落ちている華厳の滝へ移動した。この日の道順を考えれば、本来は最初か最後に立ち寄りたかったが、滝下まで下りるエレベーターが夏場でも8時からなのと、大勢の観光客を避けたい気持ち等があり、変則的な移動になってしまった。
大谷川にかかる落差97mの華厳の滝を下の観瀑台と上の観瀑台から撮影、スケールの大きな場所の一部になってゆく気がした。到着時には雲に隠れていた太陽がしばらくすると顔を出し、虹も出てくれたのは有り難かった。
エレベーターで下って行く下の観瀑台で爆音と水しぶきを満喫し、シャッターを押した。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art
イワツバメが飛び交う華厳の滝。上の観瀑台から超望遠ズームレンズの特性を活かし、滝に迫るような気持ちで撮影した。等倍で見ると肉眼では全く見えなかった全長13〜15cmの小さなイワツバメの胴体の白い羽毛が確認出来る。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports
華厳の滝から駐車場に戻り1時間ほど車内で昼寝をした後、戦場ヶ原や小田代ヶ原へ出る人の拠点である赤沼駐車場へ移動し、車を停めてハイキングに出た。当初は戦場ヶ原の木道を歩く予定だったが、改修工事による通行止め区間があり小田代ヶ原へ歩いた。湯川にかかる赤沼橋では次々とハイカーが渡り、この先のハイキングコースでの撮影は制限されるかな?と思ったが、戦場ヶ原展望台まで歩くとすれ違うハイカーは数人に減った。小田代ヶ原展望台からの帰りは人の姿をしばらく見ない区間も続き、夏のハイカーは早朝から歩き始め、昼過ぎまでに終えるのが一般的なのかもしれない。
赤沼から赤沼橋を渡り、小田代歩道を歩き、カッコウとトホトトギスが鳴く戦場ヶ原展望台で休憩した後、小田代ヶ原展望台まで歩き赤沼へ引き返した。
湯川にかかる赤沼橋。13時を過ぎると橋を渡るハイカーの数が減った。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 24mm F1.4 DG DN | Art
小田代ヶ原展望台でシラカバ越しに小田代ヶ原とその先の男体山(なんたいさん)を眺めた。
ここまで問題なく来れたが、ここで唯一気になったのはカメラリュックに集ってくるハチだった。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
17時頃、赤沼駐車場に戻ると日光連山を代表する標高2,486mの男体山が待っていた。この山の噴火活動により誕生した山麓の湖や滝、草原や湿原を想い、堂々として雄大な男体山にレンズを向けた。空には雲が出てきたが、青い空を強調するためカラーモードはFOVクラッシックブルーを選択。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 35mm F1.4 DG DN | Art
約2万年前に男体山の噴火でできた堰止湖である中禅寺湖の湖岸へ下り、ハイキングシューズからスニーカーに履き替え、長ズボンから半ズボンに着替え、帰路についた。
夏の遅い午後らしい雲が出ていた中禅寺湖の北の湖岸。カラーモードはFOVクラッシックブルーを選択。
湖面の標高は1,269m、一周25kmを歩くには9時間かかるようだ。
【使用機材】SIGMA fp L, SIGMA 20mm F1.4 DG DN | Art
小学校の卒業旅行以来の日光だったので、土地感は0に等しく効率よく動けなかったが、今回で少しは位置関係が理解出来た。何より日光の奥深さを知ったので、近いうちに是非再訪問してみたい地域になった。

戦場ヶ原展望台のベンチでこの日の機材を並べてみた。
ArtラインのDG DNレンズ4本(20mm/24mm/35mm/85mm F1.4 DG DN | Art)とSIGMA 150-600mm F5-6.3 DG DN OS | Sports、SIGMA fp L2台。
動画用に録音マイク、外付けSSD、NDフィルター、電動スライダー。
カメラリュックを背負い、カメラを据えた三脚を肩で担いで移動する様子と、戦場ヶ原展望台で撮影する様子。