sd Quattro H Impression
さらなる画質の向上とカメラボディの熟成が感じられる
SIGMAの製品開発における基本思想。
それは、「最高の一枚」を追求できる
本質性能を問い続けること。
圧倒的な解像感、豊かな階調や色、
確かな実体感をもつFoveonセンサーは
そのコンセプトを象徴する存在です。
「そのとき感じた温度や湿度、匂いまでも再現できる」
などと評される、独特の像質。
sdシリーズは、この「Foveon画質」を中核とした
「システム」の構築を実現する
唯一無二のカメラです。
撮り手の表現欲求を最大限に尊重する
レンズ交換式カメラとして、SIGMAの新しい
高性能レンズラインを束ねる要であり、
写真表現の自由と精度を高める可能性をひらきます。
「写真はレンズで決まる」という
私たちの信念を形にした、もうひとつの、
新たな「アーティストのためのカメラ」。
そのすべてを、ご自身の眼と手で確かめてください。
SIGMA GLOBAL VISIONの名のもと、Contemporary、 Art、Sportsという3つのコンセプトに基づき開発された高性能レンズ群。シビアな光学性能を要求するFoveonセンサーで鍛えられた新レンズラインを束ねる要。そして写真表現の決め手・レンズを統合する「システム」の心臓部として完成しました。
2012年に発表して以来、多くの方々からご支持いただいているSIGMA GLOBAL VISIONのレンズシリーズ。ものづくりそのものを刷新し、すべてにおいて「最高」を追求しています。その実現のために 1.「設計:徹底した開発コンセプトの具現化」2.「 製造:高度な技術による国内一貫生産」 3. 「評価:厳正な性能評価基準の開発と適用」を徹底しています。なかでも、4,600万画素Foveonダイレクトイメージセンサーによる独自開発のMTF測定器「A1*」で全数検査された全機種プレミアムクオリティで、厳しい眼を持つ写真家の表現欲求に応えてきました。そして今、最高レベルの解像度をもつFoveonセンサーに鍛えられた、最高性能のレンズを束ねる要として、満を持して登場。唯一無二の「システム」構築を実現します。
*Aizu1
SIGMA GLOBAL VISIONのレンズラインは、撮影者であるオーナーにとってのレンズの価値を高め、より長く快適にお使いいただくための統合的なサービスに支えられています。そのひとつがSIGMA USB DOCK。USBケーブルを介してPCに接続して、レンズ・ファームウェアのアップデートや、合焦位置の調整が行えるContemporary、Art、Sportsライン専用レンズアクセサリーです。各調整は、専用ソフトウェアSIGMA Optimization Proで行います。ファームウェアのアップデートや、合焦位置の調整の他にカスタムモードスイッチを搭載したレンズにおいてはAF速度の選択、フォーカスリミッターの調整、OSの調整も可能です。また、SIGMA GLOBAL VISIONのレンズは、カメラボディに合わせてレンズのマウントを交換できる「マウント交換サービス」(有償)が適用されます。かけがえのない「資産」であるレンズとカメラのためにできることを、シグマは考え続けています。
3層構造の各層ですべての光の情報を取り込むFoveonセンサー。そのフィルムライクなキャプチャシステムが生成する画像の豊かな階調と色、独特の像質はそのままに、さらなる解像感と、データ特性に最適化された画像処理、さらに基本的な撮影機能も洗練させ、画づくり全体の質を高めています。
解像情報をグリーン(全体の50%)で取得する一般的なベイヤー式イメージセンサーに比べ、トップ層100%で取得するQuattroセンサーは2倍の解像情報があります。APS-Cサイズ(トップ層1,960万画素)の「sd Quattro」の場合、3,900万画素相当と中判並みの高画質。さらに新開発のAPS-Hセンサー(26.7×17.9mm:トップ層2,550万画素)を搭載した「sd Quattro H」では、5,100万画素相当の高画質を実現。一回り大きいセンサーならではの、より高精細な「Foveon画質」を体感いただけます。
シグマは初めてデジタルカメラを手がけたときから、他とは一線を画す像質を示すFoveonセンサーを採用してきました。Foveonセンサーは、光の波長特性を利用し、シリコンの異なる深さに3層のフォトダイオードを配置して色分離する垂直色分離方式を採用した世界唯一のダイレクトイメージセンサーです。他のほぼすべてのセンサーはカラーフィルターを水平に配列して色情報を取り込んでいますが、Foveonセンサーは、垂直方向に色分離を行うため、単一セル内ですべてを記録することができ、豊かなグラデーションやトーンを表現できます。「カラーフィルターで光情報を損失しない」「フィルターアレイの干渉を隠すための光学的ローパスフィルターが不要」というネイティブデータの特徴を示し、演算による補間も不要なため、どこまでも質の良い画像生成ができる原理特性をもちます。
Foveonセンサー独特の豊かなトーンとグラデーション、しっかりとしたテクスチャを感じさせる「フルボディ」画質は、光の情報を垂直方向にまるごと取り込める世界唯一のセンサー方式、「フルカラーキャプチャシステム」によるものです。新センサーでは、新たな3層構造1:1:4を採用。輝度情報はトップ、色情報はトップ、ミドル、ボトムの3層で取り込み、Foveonセンサーならではの持ち味はそのままに、さらなる高画質を追求。解像度(従来比30%アップ)とノイズ特性を向上させ、高画素化に伴うSN比の悪化を抑えられるだけでなく、忠実な色再現を行うための膨大なデータ処理の高速化にも成功しました。画質には一切の妥協なく、超高解像とノイズ特性改善を可能にする新センサーのジェネレーションネームは、「1:1:4」ソリューションにちなんで「Quattro」と命名しました。
ボトム1:ミドル1:トップ4 の「1:1:4」構造を採用することで、一般的なカラーフィルターアレイセンサー3,900万画素相当の高解像と、ノイズ特性改善、さらに膨大な画像データの処理高速化にも成功。
Foveon X3ダイレクトイメージセンサーは、光の波長を短い方から順に垂直方向に吸収するシリコンの特性を活かして、3つの層ですべての色情報を取り込むことができるフルカラーキャプチャシステムに依拠しています。一般的なセンサー方式のように後段での色補間処理を必要とせず、ピクセルロケーション単位での精緻で繊細な解像感・色表現を可能にします。
最高画質の実現にとって、高解像は不可欠な要素です。その一方で、解像感を増すために画素数を増やし続ければ、それはそのまま画像ファイルサイズの肥大化に直結します。ピクセルロケーションごとにRGBの情報を持つRAWデータではなおのこと、その傾向が強くなります。
分光特性チャートにあるように、光の波長をブロードに捉えられるFoveon X3ダイレクトイメージセンサーでは、輝度情報を最上位(トップ/Blue)層で取得できることに着目し、「1:1:4」構造の着想を得ました。トップ層では輝度情報と色情報を取得しますが、Top層に対し面積の大きいミドル/ボトムの各層では色情報のみを取得します。画像処理の過程でミドル/ボトムの各層で得たデータに、Top層で得た輝度情報を展開する事により、全てのピクセルで輝度情報と色情報が揃う事になります(センサー概念図参照)。
三層構造で垂直に色分離する原理はそのままに、最上位層から得た輝度情報をその下の層に適応させるという、色と輝度の情報の分割管理により、前世代までの1:1:1構造のままでは問題になるであろうファイルサイズ肥大化の解決の糸口としたのです。
Foveonセンサー「Quattro」専用画像処理エンジン「TRUE(Three-layer Responsive Ultimate Engine)III」。シグマ独自のアルゴリズムで画像を劣化させることなく、また豊かなカラーディテイルを損ねることなく、高精細で立体的な描写を実現します。この「TRUE III」を2つ搭載することにより、Quattroセンサーから出力された信号を高速処理します。
高速性能に優れた像面位相差検出方式と合焦性能に優れたコントラスト検出方式の2つのAF検出方式を採用し、AF精度を保ちながら、高速なAFを実現。高性能レンズの性能を余すことなく引き出します。オートフォーカスモードは、通常の撮影に最適なシングルAFと、動いている被写体にピントを合わせ続けるコンティニュアスAFに対応。コンティニュアスAFは、シャッターボタンを半押している間オートフォーカスが駆動し続け、動体予測機能により、正確なフォーカスを実現します。また、9個のフォーカスフレームから選択する「9点選択モード」や、フォーカスフレームを任意の位置に細かく移動できる「自由移動モード」、人物の顔を検出したときに、優先的にピント合わせを行う「顔優先AFモード」を搭載。AF補助光を内蔵しているため、暗い場所でもオートフォーカス撮影が可能です。
「SIGMA Photo Pro」は、RAWデータX3Fを直感的に現像できるソフトウェア。Quattroセンサーが捉えたフルデータを余すことなく表現します。撮影した画像を見ながらスライダーを左右に動かすだけの簡単操作で、思いのままの写真表現が可能です。また、SIGMA sd Quattroシリーズに搭載のSFD(Super Fine Detail)機能を用いて生成したX3Iファイルから、ダイナミックレンジが広く高精細でノイズレスな画像を生成することが可能。モードの切り替えにより、カラー処理を一切行わずFoveon X3ダイレクトイメージセンサーの特徴を活かした、トーンやグラデーション描写、深みのあるモノクローム現像も可能です。
sd Quattroシリーズで撮影したISO800以上のRAWデータ(X3Fファイル)に対し、ノイズを低減し、発色が良い画像を出力することができるビニング機能も搭載しています。
「SIGMA Capture Pro」は、コンピュータからカメラを制御し※、撮影を行う事ができるソフトウェア。カメラをUSB接続する事で、レリーズの他、絞り値、シャッタースピードなどの各種設定をコンピュータから行う事ができます。ライブビュー画面も表示でき、パソコン画面を見ながら撮影が可能です。また、撮影した画像をカメラ内のSDカード、またはコンピュータのいずれか、もしくは双方保存することができます。
※コンピュータに接続し、コンピュータから制御している時でも、カメラ側からの操作で撮影が可能です。撮影枚数の設定もでき、一度の操作で連続して撮影が行なえます。
Quattroセンサーのパフォーマンスを最大限に引き出す、SFD(Super Fine Detail)モードを搭載。一回のレリーズで7枚の露出の異なる画像を取得し、専用のRAWデータ(X3Iファイル)を生成。SIGMA Photo Proを使用して、このRAWデータから、ダイナミックレンジが広くノイズレスな画像を生成することができます。これにより、Quattroセンサーの更なる高精細で豊かな表現が可能になります。X3IファイルからそれぞれのX3Fファイルを分離することも可能です。特にスタジオでのスチル撮影などに真価を発揮します。
※ブレによる影響を防ぐため、三脚の使用をお奨めします。
dp Quattro の約2倍のDDRⅢ高速大容量メモリの搭載により、HIGHサイズのRAWデータ(X3Fファイル)で最大12コマ(sd Quattro Hは8コマ)の連続撮影が可能に。また、LOWサイズでは最大24コマ(sd Quattro Hは16コマ)の連続撮影ができるため、用途に応じて選択が可能です。
カメラを構え、両手でしっかりとホールドしたときの操作感、ポータビリティを考慮した際に最適な重量や形状、システムとしての拡張性。手の大きさ、握り方の好み、操作の自由度など、撮り手それぞれに異なる要求に応え、最も安定的なホールディングを実現。直感的な操作をサポートする構成を工学的に追求しています。
イメージセンサーの性能を引き出すHIGHサイズと記録枚数を重視したLOWサイズの2種類から撮影用途に応じて選択ができ、RAWとJPEGの同時記録も可能です。JPEGにおいては、大判プリントに最適なSUPER HIGH(sd Quattro:3,900万画素、sd Quattro H:5,100万画素)や、SNSなどへの公開に最適なSUPER LOWも選択でき、様々な用途に対応します。
高精細約236万ドットの電子ビューファインダー(視野率約100%、倍率約1.10倍、sd Quattro Hは倍率約0.96倍)を搭載。接眼部にコーティングを施した3枚のレンズを使用し、クリアな視認性を実現しています。ファインダー表示と背面モニタ表示は、ファインダー横のモニタ切替レバーで切り替えが可能。AUTOに設定するとファインダーを覗いたときに、自動的にモニタ表示からファインダー表示に切り替わるため、撮影はファインダー、各種設定や撮影画像の確認は背面モニタといった事もシームレスに行えます。背面液晶モニタと同様、各種設定値の表示やグリッド線、水準器表示のほか、拡大表示やフォーカスピーキング機能を利用することができるので、電子ビューファインダーでの撮影メリットを最大限に活かせます。
ピントが合った被写体の輪郭部分を色付きの線(ホワイト、ブラック、レッド、イエローから選択可能)で強調するフォーカスピーキング機能を搭載。被写体のどこにピントが合っているのか、ひと目で確認ができます。
ボディ背面には、約162万ドット3.0型TFT液晶モニタを採用したメインモニタと、撮影可能枚数やシャッタースピード、絞り値、ISO感度等の情報を表示するサブモニタの2つのモニタを搭載。ライブビュー画像と設定情報を同時に見ることができるので、撮影時の情報確認が容易です。LCDパネルと保護ガラスの間に特殊シート材を張り合わせることで空気の層をなくし、LCDの反射を抑え日中の屋外でも優れた視認性を発揮します。
定評のあるユーザーインターフェースを進化させ、より直感的・感覚的な操作を実現しています。撮影時に使用頻度の高い項目を集めたクイックセットメニューを呼び出すクイックセット(QS)ボタンをシャッターボタン周りに配置することで、ファインダーから目を離すことなく素早く設定変更が可能です。ボディ上部に新設されたLOCKスイッチでボタン操作をロックすることにより、誤操作を気にせず撮影に集中することができます。ロックする範囲は、好みに合わせて変更することも可能です。ボディ背面には、使用頻度の高いセレクター近くにメニューボタンやフォーカスフレームボタン、切替レバーつきのAEL/AFボタンを装備して、右手の親指だけで快適に操作できます。
RAWデータは、シグマ独自のX3Fフォーマットに加え、DNG(Digital Negative)フォーマットを採用。従来のX3Fフォーマットとの選択が可能となりました。DNGファイルは他社製の画像処理ソフトで現像を行うことができるので、表現の幅が広がります。
DNGフォーマットを選択した場合は、JPEGとの同時記録は出来ません。また、記録画素数は撮影時のアスペクト比によって変わります。
APS-Cサイズ専用のDCレンズを使用する際、便利なクロップ撮影機能を搭載。DCレンズ装着時に自動でクロップ撮影が可能なAUTOの他に、任意でON、OFFの切り替えが可能のため、フルサイズ対応のDGレンズ装着時には、2種類の画角で撮影を楽しむことができます。クロップ機能をONにした時には、ファインダーや液晶モニターの表示可も自動でAPS-Cサイズの画像を全画面表示するため、構図決定が容易です。
*クロップON時はレンズ表記の1.5倍の焦点距離相当の画角となり、記録画素数が小さくなります。
SIGMA sd Quattroに同梱されている専用バッテリーです。
SIGMA sd Quattroに同梱されている専用バッテリーBP-61専用充電器です。
ガイドナンバー63の大光量で多機能なクリップオンタイプのフラッシュです。高速シャッター時も使用できるハイスピードシンクロ機能やワイヤレスフラッシュ機能を搭載。 また、通常の配光モードに加え、ガイドナンバー優先配光、フラット配光を追加。3つの配光モードから、撮影に適した配光を選択できます。
ケース、フラッシュスタンド(FS-31)付
カメラを三脚に固定し、カメラから離れてシャッターを切りたい場合や、スローシャッターを使用する場合などに最適です。
家庭用電源で SIGMA sd Quattroを使用する為の専用アダプター。長時間の撮影、画像の再生、コンピュータとの接続時などにお勧めです。同梱のDCコネクターCN-31と一緒に使用します。
※SIGMA fpのみ対応
ケース、MACRO FLASH ADAPTER (φ55mm、φ62mm)付
さらなる画質の向上とカメラボディの熟成が感じられる
さて、2回にわたってsd Quattroの持つ力を検証してきた。最後となる今回、どうしても確かめておきたかったことがある。
本インプレッションの第一回目ではFoveonセンサーが持つ性能、とりわけ解像力、色再現力、階調の豊富さを再検証しつつ、sd Quattro、および専用現像ソフトウエア「SIGMA Photo Pro」の新機能を紹介した。
dpシリーズ同様、小文字となった「sd」。sd Quattroがミラーレスカメラとして生まれ変わって新登場。
生きている姿を写真に封じ込める
「生きている姿を写真に封じ込める」作品
赤いシルクの布を背景にして真っ赤なばらの花を撮影した。
感度を上げることによってくすんでしまった色を、
鮮やかな色で表現してくれる。
早朝の光はまだ弱い、そして、この日は強い風も吹いていた。
ヨドバシカメラ様が運営するレビューサイト
マップカメラ様が運営するレビューサイト
マップカメラ様が運営するブログ
ビックカメラ様が運営するレビューサイト
カメラの八百富様が運営するブログ
フジヤカメラ様が運営するブログ